海外ジャーナルクラブ
1年前
Raynaudらは、 新たに開発された人種を問わない腎移植レシピエント用の糸球体濾過量 (GFR) 式を既存の3つの推定式 (MDRD式、 CKD-EPI 2009式、 条件に人種を含まないCKD-EPI 2021式) と比較し、 その性能と妥当性を検討。 その結果、 新たな計算式は高い精度を示し、 腎移植患者を対象として開発された条件に人種を含まないCKD-EPI 2021式を上回った。 本研究はBMJ誌において発表された。
Race-freeとありますが、 フランス、 ヨーロッパ、 オセアニア、 アメリカのコホートのようです。 日本人コホートでの精度の検証結果が期待されます。
2000年1月1日~2021年1月1日に腎移植を受けた成人1万5,489例。
欧州、 米国、 オーストラリアの17コホート (14の移植センター、 3つの臨床試験) の登録者。
GFR
本研究には1万5,489例が参加し、 5万464例のmGFRおよびeGFR値が含まれた。
既存のGFR推定式のうち、 条件に人種を含まないCKD-EPI 2021式は、 MDRD計算式およびCKD-EPI 2009計算式と比較して最も性能が低かった。
新規に開発されたGFR推定式の条件に人種を含めると、 性能は上昇しなかった。
新規に開発されたGFR推定式は、 条件に人種を含まないCKD-EPI 2021方程式と比較して有意に改善された性能を示し、 外部検証コホートでは良好な性能を示した (P₃₀ 73.0-91.3%)。
新規開発のGFR推定式の性能は、 以下の条件で層別化した腎移植レシピエントのサブグループにおいても良好であった。
人種を問わない新しい腎レシピエント特異的GFR計算式が開発され、 複数の大規模な国際的腎移植レシピエントコホートを用いて検証された。 この計算式は高い精度を示し、 腎移植患者を対象として開発された、 条件に人種を含まないCKD-EPI 2021式の性能を上回った。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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