関西医科大学呼吸器腫瘍内科学講座
8ヶ月前
関西医科大学呼吸器腫瘍内科学講座による、 呼吸器疾患・肺癌診療に役立つ情報をお届けします。 第3回は、「仕事や勉学に役立つアプリ5選」 をご紹介します。 (解説医師 : 関西医科大学呼吸器腫瘍内科 上硲敬介氏)
時代の流れとともに医師の仕事は高度化し、 医師として求められる業務内容や学習すべき内容は膨大なものとなりました。 その一方で、 医師の働き方改革が叫ばれる時代となり、 いかに効率的に仕事をこなしながら、 知識をアップデートするかも求められるようになりました。 業務効率化のために、 私はスマートフォンアプリを活用しています。 そこで今回は、 私が普段使っている中でも、 特に仕事や勉学におすすめできるアプリを5つご紹介します。
救急外来の場では、 採取した血液検体や喀痰検体をその場でグラム染色して、 抗菌薬を選択することがあります。 そのような時には 「グラレジ」 を使うと良いでしょう。 「グラレジ」 では、 グラム染色後の細菌の染色像が掲載されているため、 グラム染色した直後の細菌名が特定できていない段階で、 どの抗菌薬を使うべきかを選択する時に使用できます。
また、 細菌培養で細菌を特定した後も細菌名から検索して、 それぞれの解説文や直近のエビデンスなども確認できるため、 普段の学習にも使えます。 このほか、 グラム染色した画像をアプリ上から送信することで、 症例の相談ができるという機能もあります。
救急外来や院内急変などでは、 血液ガス分析のデータ評価や、 患者個人の体型に合わせた昇圧薬などの薬剤投与量を決めるγ計算などを、 瞬時に行う必要があります。 「ABGAnalyzer」 は、 そのような時に有用なアプリとなっています。
救急外来を行う上で必要な情報を手軽に検索することができ、 救急現場の切迫した状況でも使いやすいため、 救急外来に慣れていない初学者や研修医におすすめです。
「X(旧Twitter)」 では各領域の先生方が、 最新論文や直近で開催された学会の内容をまとめた投稿をされています。 学会発表や臨床試験の結果などが出ると、 フォローしている先生方がそれらの内容や感想について投稿をしていることがあり、 その投稿を見るだけでも勉強になります。
また、 研修医および専攻医向けのスライドの投稿や勉強会の案内をしているアカウントもあるため、 若手医師は勉強用にXを活用してみても良いかもしれません。 私の場合は、 呼吸器内科や腫瘍内科の先生を積極的にフォローしています。
領域別の解説動画が投稿されており、 主に専門分野以外を勉強する際や、 基本的な内容の復習などに利用しています。
医師の業務に関係することを動画投稿しているアプリは少ない印象ですが、 「CareNeTVプレミアム」 は投稿動画本数が多く、 日々の仕事につながる質の高い動画が多数投稿されているため、 動画を視聴しながら勉強したいという先生方にはおすすめのアプリです。 専門医試験用の動画も投稿されているので、 試験勉強目的に利用できる点も特徴です。
メモや記録を取るためのアプリで、 私は日々勉強した内容を 「Evernote」 にメモしてすぐに見直せるようにしています。 全文書検索機能が搭載されており、 見つけたいメモがどのノートにあるか分からなくなっても、 すぐに検索できる点が特徴です。 また、 パソコンに同期すれば、 パソコン上で編集したノートをスマートフォン上でも確認できます。 メモした内容を他人と共有しやすいので、 勉強会を開く際などによく使っています。
2022年4月に内科学第一講座より分離独立して開講し、 肺癌の標準的診療を実践しているほか、 呼吸器疾患や腫瘍に関心がある研修医の教育支援も行っています。 現在メンバーは14人おり、 最も特徴的な点は若い先生が多いことです。 40代以上は3人、 ほかは皆30代以下で、 エネルギーに満ち溢れています。 また、 新しい講座であるため、 他施設とのしがらみがありません。 出向先は研修医の希望を尊重し、 希望先の施設で研修を受けられるようにサポートしています。
興味のある先⽣はぜひ、 yuta1106yamanayt@gmail.comまでご連絡ください。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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