海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Hortonらは、 生殖細胞系列の遺伝子検査でDNAシークエンシングにRNAシークエンシングを加えた場合に、 診断結果の精度と臨床的感度が改善するかを診断学的研究で検討した。 その結果、 DNAとRNAの同時シークエンシングにより、 バリアントの検出と分類が改善し、 診断精度が向上することが示された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
個別化医療を行う上でのRNAシークエンスの重要性(意義) が証明されています。
遺伝性癌の素因を有する患者に対する個別化されたサーベイランス、 予防、 がん治療の選択肢は、 生殖細胞系列遺伝子検査の結果に基づいて決定される。 RNAシークエンシングなどのゲノム技術の向上により、 生殖細胞系列の遺伝子検査の精度が向上し、 個別化治療の対象となる患者を特定しやすくなる可能性がある。
2019年3月~2020年4月において、 遺伝性癌適応の生殖細胞系列遺伝子検査を受けた者:4万3,524例
DNAとRNAの同時シークエンシング
診断率の上昇、 臨床的意義不明バリアント (VUS) の割合の低下、 RNAの証拠とバリアント分類との関連など
549例 (1.3%) でバリアント分類に影響があった。 医学的に意味のある再分類が実施された97例のうち70例が、 VUSから病原性/病原性の可能性 (P/LP) に再分類され、 27例において新規の深部イントロンP/LPバリアントが検出された。
P/LPスプライシングバリアントの17.1% (545例中93例) の分類がRNAの証拠に依存し、 既存のスプライシングVUSの71.1% (439例中312例) がRNAの証拠によって解決した。
アジア系、 黒人、 およびヒスパニック系を併せた診断陽性率の上昇 (3.1%) とVUS割合の低下 (-3.9%) は、 白人より大きかった (1.6%、 p=0.02および-2.5%、 p<0.001)。
DNAとRNAの同時シークエンシングは新規バリアントの検出および既存のバリアントの分類を改善させた。 これにより、 遺伝性癌素因を有する個人を特定しやすくなり、 治療薬およびサーベイランスの個別化の機会が増加すると考えられる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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