【JAMA】敗血症、 抗菌薬終了の判断にプロカルシトニンが有用
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海外ジャーナルクラブ

5日前

【JAMA】敗血症、 抗菌薬終了の判断にプロカルシトニンが有用

【JAMA】敗血症、 抗菌薬終了の判断にプロカルシトニンが有用
Darkらは、 敗血症の疑いがあり集中治療室に入室した重症患者2,760例を対象に、 プロカルシトニン (PCT) またはC反応性蛋白 (CRP) を抗菌薬中止の判断基準に用いることで抗菌薬投与期間を短縮できるかどうかを無作為化比較試験ADAP-Sepsisで検討した。 その結果、 PCTを指標に用いたプロトコルで抗菌薬投与期間が安全に短縮できることが明らかとなった。 

主要評価項目 (28日目までの抗生物質投与期間と全死因死亡率) の結果は以下の通りであった。

PCTを指標に用いるプロトコル (918例)

  • 抗菌薬投与期間 : 標準治療 (918例) より短かった (平均10.7日→9.8日;平均差0.88日;95%CI 0.19~1.58;p=0.01)。
  • 全死因死亡率 : 標準治療との比較で非劣性 (19.4% vs 20.9%;絶対差1.57%;95%CI -2.18~5.32;p=0.02)。

CRPを指標に用いるプロトコル (924例)

  • 抗菌薬投与期間 : 標準治療と差なし (平均差0.09日;95%CI -0.60~0.79;p=0.79)。
  • 全死因死亡率 : 結論は得られず (絶対差1.69%;95%CI、 -2.07~5.45;p=0.03)。

📘原著論文

Biomarker-Guided Antibiotic Duration for Hospitalized Patients With Suspected Sepsis: The ADAPT-Sepsis Randomized Clinical Trial. JAMA. 2024 Dec 9. Online ahead of print. PMID: 39652885

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

我々が普段慣れている単位に直すと、 この試験ではPCT<0.25ng/mL、 CRP<2.5mg/dLを抗菌薬終了のカットオフに設定しています。 なお本邦ガイドラインにおける推奨は以下の通りです。

【JAMA】敗血症、 抗菌薬終了の判断にプロカルシトニンが有用
日本版敗血症診療ガイドライン2024.より引用

今版では、 PCT値あるいはCRP値を指標とした抗菌薬中止戦略と、 標準治療 (PCT値・CRP値いずれも指標としない) の3群によるメタ解析が行われています。 詳細は以下を確認ください。

敗血症GL2024② 抗菌薬の継続、 TDMについて

聖路加国際病院救急部 敗血症に対する抗菌薬治療の概説

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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