海外ジャーナルクラブ
1年前
Lugarらは、 遺伝学的に1型糖尿病の発症リスクが10%を超える生後4~7ヵ月の乳児を対象に、 SARS-CoV-2感染と膵島自己免疫の発現との時間的関連を多施設共同研究で検討した。 その結果、 1型糖尿病の遺伝的リスクが高い幼児において、 SARS-CoV-2感染は膵島自己抗体の発現と時間的に関連していた。 本研究はJAMA誌において発表された。
Limitationには75%ほどの患児が除外されており、 結果の一般化には問題があるとの指摘があります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの間、 小児期の糖尿病発症率が増加しており、 SARS-CoV-2感染が1型糖尿病発症に先行する膵島自己免疫と関連している可能性が考えられる。
1型糖尿病発症リスクが10%を超える生後4~7ヵ月の乳児:885人
対象児を2歳まで2~6ヵ月間隔で追跡した。
連続した検体での2種以上の膵島自己抗体の発現、 または1つの膵島抗体と1型糖尿病の発現
885人中170人において、SARS-CoV-2抗体が発現した。
膵島自己抗体は60人で発現し、 このうち6人はSARS-CoV-2抗体陽性と同時に、 別の6人はSARS-CoV-2抗体陽性後の来院で膵島自己抗体が陽性となった。
性・年齢・国で調整したSARS-CoV-2抗体陽性時の膵島自己抗体発現のHRは3.5 (95%CI 1.6-7.7、 p=0.002) であった。
SARS-CoV-2抗体を有する小児における膵島自己抗体発現のリスクは、 SARS-CoV-2抗体発現時の年齢 (<18ヵ月) と関連していた。
HR 5.3、 95%CI 1.5-18.3、 p=0.009
1型糖尿病の遺伝的リスクが高い乳児において、 SARS-CoV-2感染が膵島自己免疫の発現と時間的に関連していることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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