HOKUTO編集部
1年前
非小細胞肺癌 (NSCLC) の2次、 3次治療において、 抗TROP2抗体薬物複合体であるdatopotamab deruxtecan (Dato-DXd/DS-1062) の有効性および安全性を標準治療のドセタキセル (DTX) を対照に比較する第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化比較試験TROPION-Lung01の中間解析の結果から、 無増悪生存期間 (PFS) の有意な延長が認められた。 米・David Geffen School of Medicine at UCLAのAaron Lisberg氏が発表した。
転移のあるNSCLCの2次治療は化学療法が標準とされているが、 毒性が強いにもかかわらず効果は限定的であることが課題となっている。 Dato-DXdは進行/転移性のNSCLCに対し、 第Ⅰ相のTROPION-Pan Tumor01試験において客観的奏効率 (ORR) 26%の抗腫瘍活性が報告されている (J Clin Oncol 2023; 41: 4678-4687) 。
前治療*歴のあるNSCLC患者で以下の適格基準を満たす患者
604例*を以下の2群に1:1で割り付けた。
HR 0.75 (95%CI 0.62-0.91)、 p=0.004、 事前に規定した両側P=0.008
扁平上皮癌患者のグループ (HR 1.38) 以外では、 Dato-DXd群の優位性が認められた。
非扁平上皮癌患者のPFS中央値
HR 0.63 (95%CI 0.51-0.78)
ドライバー遺伝子変異陰性例でのHRは0.71 (95%CI 0.56-0.91) だった。
扁平上皮癌患者のPFS中央値
HR 1.38 (95%CI 0.94-2.02)
HR 0.90 (95%CI 0.72-1.13)
非扁平上皮癌のグループ
HR 0.77 (95%CI 0.59-1.01)
扁平上皮癌のグループ
HR 1.32 (95%CI 0.87-2.00)
全グレード、 グレード3以上、 治療中止を要したTRAE
各群で頻度の高いTRAE
薬剤関連間質性肺疾患:ILD (グレード3以上、 グレード5)
前治療歴のある進行または転移性のNSCLC患者に対し、 DTXと比べてDato-DXdはPFSを有意に改善した。 特に非扁平上皮癌患者でPFSが最も延長した。 Dato-DXdの忍容性は良好で、 安全性プロファイルも管理可能だった。 OSの最終解析まで本試験は継続中である。 本結果からDato-DXdは非扁平上皮NSCLCの有望な治療法となる可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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