海外ジャーナルクラブ
2年前
Ludmirは、 乳癌、 前立腺癌、 大腸癌、 肺癌の患者を対象とした臨床試験参加者と罹患者集団の年齢格差と年齢格差拡大に関連する因子を調査。 その結果、 臨床試験参加者と罹患者集団との間の年齢格差は、 臨床試験全体に広がっており、 時間の経過とともに増加していることが示唆された。 また、 産業界による臨床試験のスポンサーシップは、 臨床試験参加者の年齢の不均衡を高めることと関連していることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
本研究では、 産業界による臨床試験のスポンサーシップは、 臨床試験参加者の年齢の不均衡を高めることと関連していることが明らかとなった、 と結論づけていますが、 本研究をおこなった研究者自身のCOI開示がものすごい量なので、 なんと表現していいのかわかりません…
20年前に行われた調査により、 腫瘍学コミュニティは臨床試験参加における年齢格差について注意喚起された。
乳癌、 前立腺癌、 大腸癌、 肺癌の患者に対する治療介入を評価するランダム化比較試験(RCT)が対象
臨床試験データはClinicalTrials.govから抽出
各試験について、 試験参加者の中央年齢と人口ベースの疾患部位別中央年齢との差 (DMA) を求めた。
試験参加者の年齢中央値は、 人口中央値より平均6.49歳若かった。
年齢格差は、 産業界が資金を提供する試験の方が、 産業界が資金を提供しない試験と比べて大きかった。
平均DMA (P=0.002)
パフォーマンスステータスや年齢による登録基準の制限は、 年齢格差と関連していたが、 産業界が資金を提供する試験は、 産業界が資金を提供しない試験よりもこれらの登録基準の制限を使用する傾向は強くなかった。
年齢格差は、 標的全身療法を評価する試験や肺癌の試験でより大きかった。
線形回帰モデリングにより、 臨床試験と集団の年齢中央値の差は、 時間の経過とともに毎年-0.19歳 (95% CI -0.37〜-0.01 歳、 P=0.04) の割合で広がっていることがわかった。
臨床試験参加者と罹患者集団との間の年齢格差は、 臨床試験全体に広がっており、 時間の経過とともに増加しているようである。 産業界による臨床試験のスポンサーシップは、 臨床試験参加者の年齢の不均衡を高めることと関連している。 がん臨床試験において産業界からの資金提供の役割が高まる中、 試験結果の一般化、 および試験へのアクセスの公平性を確保するためには、 年齢格差を理解し対処する取り組みが必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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