【TASUKI-52】未治療非扁平上皮NSCLCへのニボルマブ上乗せ、 4年OSも改善
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HOKUTO編集部

13日前

【TASUKI-52】未治療非扁平上皮NSCLCへのニボルマブ上乗せ、 4年OSも改善

【TASUKI-52】未治療非扁平上皮NSCLCへのニボルマブ上乗せ、 4年OSも改善
化学療法未治療でIIIB/Ⅳ期または再発の非扁平上皮NSCLCに対し、 化学療法+抗VEGF抗体ベバシズマブ+抗PD-1抗体ニボルマブ併用療法の有効性および安全性を評価した第Ⅲ相多施設共同プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験TASUKI-52について、 追跡期間4年超の最終解析結果から、 OSの有意な改善が示された。近畿大学病院がんセンター特任教授の中川和彦氏が発表した。

試験の概要

化学療法+ベバシズマブへのニボルマブ上乗せ効果を検証

TASUKI-52試験は、 日本、 韓国、 台湾における①化学療法未治療 ②EGFR/ALK陰性 ③根治照射不能 ④IIIB/Ⅳ期または再発性ーーなどの適格基準を満たした非扁平上皮非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者 (PD-L1発現を問わない) を対象にした第Ⅲ相無作為化比較試験である。

患者550例は以下2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • ニボルマブ併用群(275例)
ニボルマブ360mg、 ベバシズマブ15mg/kg、 カルボプラチンAUC 6およびパクリタキセル 200mg/m²を3週1サイクルとして投与。 その後、 ニボルマブ+ベバシズマブを病勢進行または許容できない毒性が確認されるまで継続。
  • 対照群(275例)
プラセボ+カルボプラチンAUC 6+パクリタキセル200mg/m²+ベバシズマブ15mg/kgを3週1サイクルとして投与。 その後、 プラセボ+ベバシズマブを病勢進行または許容できない毒性が確認されるまで継続。
両群ともカルボプラチンおよびパクリタキセルは最大6サイクルまで投与継続可能とした。

主要評価項目はPFS

主要評価項目は、 独立画像判定委員会(IRRC)の評価に基づく無増悪生存期間(PFS)だった。 副次評価項目には、 全生存期間(OS)、 担当医判定に基づくPFS、 奏効率(ORR)、 安全性などが設定された。

試験の結果

今回は、 最低追跡期間53.1ヵ月、 2023年12月4日をデータカットオフとするOS最終解析の結果が報告された。

日本人が多くを占める

患者背景は両群間で概ね同様であった。 また、 日本人の割合がニボルマブ併用群で68.4%、 対照群で66.5%と多いことが本試験の大きな特徴であった。

OS中央値は31.6ヵ月、 4年OS率も良好な結果

OS中央値は、 ニボルマブ併用群で31.6ヵ月(95%CI 26.8-36.5ヵ月)、 対照群で24.7ヵ月(同 21.1-28.0ヵ月)、 HR 0.71(同 0.58-0.88)であり、 ニボルマブ併用群で有意な改善を示した。

また、 4年OS率も対照群の22.1%に対してニボルマブ併用群は34.7%と良好な結果が得られた。

PD-L1発現率や脳転移にかかわらずOSを改善

OSサブグループ解析において、 主要なサブグループにおけるニボルマブ併用群 vs 対照群のOS中央値(95%CI) はそれぞれ以下のとおりで、 PD-L1発現率や脳転移の有無にかかわらずニボルマブ併用群で一貫して改善が認められた。

PD-L1発現率

  • <1%または測定不能 : 28.5ヵ月 vs 23.8ヵ月(HR 0.78)
  • 1-49% : 31.2ヵ月 vs 22.7ヵ月 (HR 0.63)
  • ≧50% : 33.4ヵ月 vs 26.6ヵ月 (HR 0.73)

脳転移の有無

  • 脳転移あり : 41.8ヵ月 vs 25.3ヵ月(HR 0.77)
  • 脳転移なし : 31.2ヵ月 vs 24.7ヵ月(HR 0.71)

4年時PFS中央値は9.9ヵ月、 増悪リスクが39%低減

担当医評価による全集団のPFS中央値はニボルマブ併用群で9.9ヵ月、 対照群で8.2ヵ月だった (HR 0.61、 p<0.0001)。

4年PFS率はそれぞれ13.7%、 3.3%だった。

安全性プロファイルは既報と概ね一致

治療関連有害事象(TRAE)は、 ニボルマブ併用群で98.5%、 対照群で99.6%。 Crade3/4のTRAEはそれぞれ76.2%、 74.9%、 死亡に至ったTRAEはそれぞれ2.2%、 1.5%であった。

結論

ニボルマブ上乗せは有用な治療選択肢

中川氏は 「TASUKI-52試験の最終解析結果により、 化学療法+ベバシズマブ+ニボルマブ併用療法の持続的な有効性が一貫して確認された。 また、 安全性プロファイルも中間解析結果と概ね一致していた。 本試験の結果より、 同併用療法が、 進行・再発の非扁平上皮NSCLCの1次治療において有用な選択肢であることが裏付けられた」 と報告した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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