【Lancet】電子カルテベースの機械学習で冠動脈疾患のマーカーを開発
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Lancet】電子カルテベースの機械学習で冠動脈疾患のマーカーを開発

【Lancet】電子カルテベースの機械学習で冠動脈疾患のマーカーを開発
Forrestらは、 冠動脈疾患の予測を目的として開発された機械学習モデルを、 2つの縦断バイオバンク・コホートの参加者で評価。 その結果、 機械学習を用いて、 動脈硬化と死亡リスクを非侵襲的に定量化し、 未診断者を特定できる冠動脈疾患のマーカー (ISCAD:in-silico scores for coronary artery disease) を生成することができた。 本研究は、 Lancet誌において発表された。

📘原著論文

Machine learning-based marker for coronary artery disease: derivation and validation in two longitudinal cohorts. Lancet. 2022 Dec 20;S0140-6736(22)02079-7.PMID: 36563696

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

このマーカーを導き出した2つのBiobankはアメリカと英国からのもであり、 アジア人の割合が極めて低いです。 その点は本文では触れられていませんが、 我々アジア人にとっては大きなlimitationと言えるでしょう。

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HEARTスコア

心疾患イベント予測スコア

研究デザイン

方法

95,935件の電子カルテを用いて冠動脈疾患予測機械学習モデルを開発した。

既知の危険因子、 多遺伝子リスクスコアから開発した冠動脈疾患マーカー ISCAD (範囲0-1) を、 2つのバイオバンクコホートの参加者で評価した。

  • BioMe Biobank:35,749名
  • UK Biobank:60,186名

測定内容

ISCADと臨床転帰

(冠動脈狭窄、 閉塞性冠動脈疾患、 多枝冠動脈疾患、 全死因死亡、 冠動脈疾患後遺症との関連を測定)

研究結果

BioMe Biobank

BioMe検証セットとホールドアウトセットのROC曲線下面積は0.95 (95%CI 0.94-0.95、 感度 0.94、 特異度 0.82) および 0.93 (95%CI 0.92-0.93、 感度0.90、 特異度0.88) であった。

UK Biobank

UK Biobank外部検証セットのROC曲線下面積は0.91 (95%CI 0.91-0.91、 感度0.84、 特異度0.83) であった。

四分位数と冠動脈狭窄

ISCADの四分位数が上がるにつれ、 冠動脈狭窄 (閉塞性冠動脈疾患、 多枝冠動脈疾患、 主要冠動脈の狭窄のリスクを含む) は定量的に増加した。

(四分位あたり12%ポイントの増加)

十分位数と全死因死亡

全死因死亡のHRと死亡率はISCADの十分位数の増加に伴い段階的に増加した。

  • 十分位数1:HR 1.0、 95%CI 1.0-1.0、 死亡率0.2%
  • 十分位数6:HR 11、 95%CI 3.9-31、 死亡率3.1%
  • 十分位数10:HR 56、 95%CI 20-158、 死亡率11%

心筋梗塞の再発

心筋梗塞の再発についても同様の傾向がみられた。

高ISCAD (≧0.9) の未診断者

高ISCAD (≧0.9) の未診断者12名 (46%) が、 2014年ACC/AHAタスクフォース・ガイドラインに基づく冠動脈疾患の臨床的な症状を有していた。

結果の解釈

電子カルテベースの機械学習を用いて、 動脈硬化と死亡リスクを連続スペクトルで非侵襲的に定量化し、 未診断者を特定できる冠動脈疾患のISCADを生成することができた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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