海外ジャーナルクラブ
2年前
Forrestらは、 冠動脈疾患の予測を目的として開発された機械学習モデルを、 2つの縦断バイオバンク・コホートの参加者で評価。 その結果、 機械学習を用いて、 動脈硬化と死亡リスクを非侵襲的に定量化し、 未診断者を特定できる冠動脈疾患のマーカー (ISCAD:in-silico scores for coronary artery disease) を生成することができた。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
このマーカーを導き出した2つのBiobankはアメリカと英国からのもであり、 アジア人の割合が極めて低いです。 その点は本文では触れられていませんが、 我々アジア人にとっては大きなlimitationと言えるでしょう。
95,935件の電子カルテを用いて冠動脈疾患予測機械学習モデルを開発した。
既知の危険因子、 多遺伝子リスクスコアから開発した冠動脈疾患マーカー ISCAD (範囲0-1) を、 2つのバイオバンクコホートの参加者で評価した。
ISCADと臨床転帰
BioMe検証セットとホールドアウトセットのROC曲線下面積は0.95 (95%CI 0.94-0.95、 感度 0.94、 特異度 0.82) および 0.93 (95%CI 0.92-0.93、 感度0.90、 特異度0.88) であった。
UK Biobank外部検証セットのROC曲線下面積は0.91 (95%CI 0.91-0.91、 感度0.84、 特異度0.83) であった。
ISCADの四分位数が上がるにつれ、 冠動脈狭窄 (閉塞性冠動脈疾患、 多枝冠動脈疾患、 主要冠動脈の狭窄のリスクを含む) は定量的に増加した。
全死因死亡のHRと死亡率はISCADの十分位数の増加に伴い段階的に増加した。
心筋梗塞の再発についても同様の傾向がみられた。
高ISCAD (≧0.9) の未診断者12名 (46%) が、 2014年ACC/AHAタスクフォース・ガイドラインに基づく冠動脈疾患の臨床的な症状を有していた。
電子カルテベースの機械学習を用いて、 動脈硬化と死亡リスクを連続スペクトルで非侵襲的に定量化し、 未診断者を特定できる冠動脈疾患のISCADを生成することができた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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