海外ジャーナルクラブ
1年前
van Baarleらは、 重度の血小板減少症患者における中心静脈カテーテル (CVC) 留置前に関連する出血を防ぐための予防的血小板輸血について多施設共同ランダム化比較試験で検討。 その結果、 予防的血小板輸血を行わないことはCVC関連出血イベントを増加させることが明らかになった。 本研究はNEJM誌において発表された。
血小板数2万未満ではBleeding events 15.6%(Transfusion群) vs. 22%(No-transfusion群)で差がありません。 ただ、 血小板数2万-3万未満ではevent数 0% vs. 15.7%であり、 ここが大きく全体の結果に影響しています。 この部分の結果の解釈が非常に難しいです。
CVC留置前の血小板数の閾値に関する輸血ガイドラインは、 質の高いエビデンスがないため、 相反する推奨事項を示している。 超音波ガイドのルーチン使用により、 CVC関連の出血性合併症は減少している。
血液内科病棟または集中治療室で治療を受けている重度の血小板減少症 (血小板数1万~5万/mm³) の患者。
患者を以下の群にランダムに割り付け。
グレード2~4のカテーテル関連出血
グレード3または4の出血
相対リスクの90%CIの上限である3.5とした。
合計15例の有害事象が観察され、 そのうち13例が重度 (すべてグレード3のカテーテル関連出血) と判定された。
CVC留置前に予防的血小板輸血を差し控えた場合の節約は、 カテーテル留置1回につき410ドルであった。
血小板数が1万~5万/mm³の患者におけるCVC留置前に予防的血小板輸血を行わない群 (無輸血群) は,あらかじめ定義された非劣性のマージンを満たさず,予防的血小板輸血よりもCVC関連出血イベントが多くなる結果となった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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