再発または転移を有する淡明細胞型腎細胞癌患者において、 スニチニブを2投1休レジメンで投与した場合の有効性と安全性を、 従来の4投1休レジメンを対照に検証した比較試験RESTOREの結果より、 2投1休レジメンは毒性が少なく、 有効性を損なうことなく6ヵ月後の無再発生存率 (FFS) が高いことが示された。
原著論文
▼解析結果
RandomizEd phase II trial of Sunitinib four weeks on and two weeks off versus Two weeks on and One week off in metastatic clear-cell type REnal cell carcinoma: RESTORE trial. Ann Oncol. 2015 Nov;26(11):2300-5. PMID: 26347107
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RESTORE試験の概要
対象
再発または転移を有する淡明細胞型腎細胞癌
方法
74例を以下の2群に1:1で割り付けた。
スニチニブ50㎎を1日1回2週間経口投与後、 1週休薬
スニチニブ50㎎を1日1回4週間経口投与後、 2週休薬
評価項目
- 主要評価項目:6ヵ月時点の無再発生存率 (FFS)
- 副次評価項目:安全性、 治療成功期間 (TTF) 、 奏効率 (ORR) 、 無増悪期間 (TTP) 、 全生存期間 (OS)
RESTORE試験の結果
患者背景
両群で同様であった。
6ヵ月時のFFS
有害事象
- 4投2休群のうち8例 (23%) が毒性により、 2投1休レジメンに移行した。
- 4投2休群の47%、2投1休群の32%が少なくとも1回の減量を行った。 最初の減量までの期間は、2投1休群の方が4投2休よりも有意に長かった (HR 0.35 (95%CI 0.16-0.61)、p=0.014) 。
- 好中球減少と疲労は、 4投2休群の方が2投1休群よりも頻度が高かった (それぞれp=0.037、 p=0.017) 。
- 2投1休群の方が4投2休群よりも報告頻度が低かった有害事象は、 口内炎 (全Grade、 Grade3-4) 、 発疹 (全Grade) 、 手足症候群 (Grade3-4) であった。
TTF中央値
(95%CI 4.4-10.9ヵ月)
(95%CI 3.1-8.9ヵ月)
HR 0.57 (95%CI 0.34-0.95)、p=0.029
ORR
(95%CI 32-63%)
(95%CI 18-49%)
TTP中央値
(95%CI 4.0-25.3ヵ月)
(95%CI 7.5-12.7ヵ月)
HR 0.75 (95%CI 0.44-1.27)
毒性により、 4投2休から2投1休に変更した8人の患者のTTP中央値は29.3ヵ月であった。
OS中央値
(95%CI 18.9-42.0ヵ月)
(95%CI 11.3-45.4ヵ月)
HR1.15 (95%CI 0.64-2.04)
著者らの結論
- 再発または転移を有する淡明細胞型腎細胞癌に対し、 スニチニブを2投1休で投与した場合、 4投2休と比較し、毒性が少なく、有効性を損なうことなく6ヵ月後のFFSが高いことが示された。
- 4投2休で投与され、耐えがたい毒性を示した場合、2投1休に移行することで、有効性を維持しながら忍容性を改善できる可能性が高いことが示された。