『関節リウマチ診療ガイドライン2024』改訂の要点は?
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HOKUTO編集部

6ヶ月前

『関節リウマチ診療ガイドライン2024』改訂の要点は?

『関節リウマチ診療ガイドライン2024』改訂の要点は?
日本リウマチ学会による『関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂』 (以下、 2024年版) 」が2024年4月20日に発刊された。 第68回日本リウマチ学会では、同学会関節リウマチ診療ガイドライン小委員会副委員長で、 京都府立医科大学免疫内科学内分泌・免疫内科学部門病院教授の川人豊氏が、主な改訂ポイントを解説した。

マイナーアップデートが中心

2024年版の改訂はマイナーなアップデートが中心である。

成人関節リウマチの重大なアウトカムは、 旧版の『関節リウマチ診療ガイドライン2020』を引き継いだ一方で、 妊娠・授乳期および若年性特発性関節炎についてはクリニカル・クエスチョン (CQ) 毎に7つのアウトカムが設定された。

2020年版からの追加・変更箇所は?

2024年版では、 新規TNF阻害薬のオゾラリズマブを加えた成人関節リウマチの薬物治療、 および高齢者、 若年性特発性関節炎と成人移行期、 妊娠・授乳期などライフステージ別の関節リウマチ診療における推奨が改訂された。

抗リウマチ薬に関する推奨

推奨内容の変更点はないものの、 生物学的抗リウマチ薬 (bDMARDs) で効果不十分かつ中等度以上の疾患活動性を有する患者に対するオゾラリズマブの有効性および安全性に関するエビデンスが追加されている。

  • ACR50 response (24週時点) のRR 3.09
(95%CI 2.34-6.79)
  • 重篤な有害事象 (24週時点) のRR 0.74
(同0.13-4.34)

メトトレキサート皮下注射の推奨

  • 条件付きの推奨
  • メトトレキサート未投与例では内服が優先される
  • エビデンスの確実性は 「非常に低」
  • 同意度は8.00と高い

その他の変更点

新規

  • リツキシマブの推奨
  • 高齢発症RAの治療に関するコンセンサスステートメント
  • 若年性特発性関節炎の推奨

アップデート

  • JAK阻害薬の推奨
  • 高齢者関節リウマチの推奨
  • 妊娠・授乳期の推奨

薬物療法アルゴリズムは一部注記が変更

フェーズI

注4 : MTX皮下注の追加に伴い、 皮下注射の投与における優先順位や有効性、 安全性に関して追記されている。

フェーズII/III

  • 注5 : bDMARDsとJAK阻害薬の優先順位およびJAK阻害薬使用時のリスク因子に関して追記され、 フェーズⅡの 「長期安全性、 医療経済の観点からbDMARDsを優先する」 という文言は2020年版から引き継がれた。
  • 注6 : 前版の注6の内容に 「他のTNF阻害薬よりも」 という文言が追記されている。

まとめ

川人氏は 「本ガイドラインが関節リウマチの日常診療に応用され、 疾患活動性の低下および関節破壊の進行抑制を介して、 長期予後の改善、 特にQOLの最大化と生命予後のさらなる改善につながることが期待される」 と述べた。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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