海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
Worshamらは、 2011~18年にインフルエンザワクチンを接種した2~5歳の小児を対象に、 インフルエンザワクチンの最適な接種タイミングを住民ベースのコホート研究で検討した。 その結果、 誕生月が予防健診受診の時期に影響を与え、 それがワクチン接種のタイミングと関連することが示された。 特に10月生まれの小児は、 10月にワクチン接種を受ける可能性が最も高く、 インフルエンザと診断される可能性が最も低かった。 本研究は、 BMJ誌において発表された。
日本では13歳未満の場合には2回接種ですので10月が良いと思います。 ただ、 解析結果からは11月も10月と比較してそれほどインフルエンザ診断が増加してる訳ではありません。 ワクチン接種に時間や場所の限りがあることを考慮しますと10・11月くらいの幅を持っても良さそうです。
2011~2018年に米国でインフルエンザワクチンの接種を受けた、 民間医療保険に加入する2~5歳の小児 : 81万9,223例
インフルエンザワクチンの接種
接種を受けた小児の誕生月別によるインフルエンザ診断率
11・12月に接種を受けた小児は、 インフルエンザと診断される可能性が最も低かった。 ただし、 この結果にはワクチン接種の時期とインフルエンザのリスクに影響を与える交絡因子の存在が示唆された。
ワクチン接種は予防的な目的で実施される定期健診の際や誕生月に行われるのが一般的であった。 10月生まれの小児は、 10月にワクチン接種を受ける割合が高く、 平均すると8月生まれの小児よりも遅く、 12月生まれの小児よりは早くワクチン接種を受けていた。
10月生まれの小児は、 インフルエンザ診断率が最も低く、 8月生まれの小児が3.0% (21万2,622例中6,462例) であったのに対し、 2.7% (22万4,540例中6016例) であった。
調整OR : 0.88 (95%CI 0.85-0.92)
著者らは、 「誕生月は予防健診の受診タイミングに影響を与え、 それを通じたワクチン接種のタイミングとも関連していた。 10月生まれの小児は、 10月にワクチン接種を受ける可能性が最も高く、 インフルエンザと診断される可能性が最も低かった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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