海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前

Abuhelwaらは、 ブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害薬イブルチニブを含む標準治療を開始する慢性リンパ性白血病 (CLL) および小リンパ球性リンパ腫 (SLL) 患者を対象に、 スタチン使用が予後に及ぼす影響を4件の第Ⅲ相無作為化比較試験の統合解析で評価した。 その結果、 スタチン使用は、 スタチン非使用と比べて全生存期間 (OS)、 無増悪生存期間 (PFS)、 癌特異的生存期間 (CCS) を有意に改善し、 CLL/SLL患者における独立した良好な予後因子として同定された。 本研究はBlood Adv誌において発表された。
欧米ではスタチンはメトホルミン、 アスピリン、 コルヒチンとともに万能薬のように取り扱われて多くの研究が行われています。
スタチンの使用は、 CLLを含むいくつかの癌において死亡率の低下と関連しているが、 イブルチニブのような標的治療薬との併用が予後に及ぼす影響については、 いまだ十分に検討されていない。
そこで本研究では、 4件の第Ⅲ相無作為化比較試験の統合解析により、 イブルチニブを含む標準治療を開始するCLL/SLL患者に対するスタチン使用と生存転帰、 ならびに有害事象発現との関連を検討した。
4件の第Ⅲ相無作為化比較試験 (RESONATE、 RESONATE-2、 iLLUMINATE、 HELIOS) の統合解析において、 イブルチニブを含む標準治療を開始するCLL/SLL患者1,467例 (CLL 1,350例、 SLL 117例) を対象に、 Cox比例ハザードモデルを用いてスタチン使用群 (424例) によるOS、 PFS、 CCSを、 スタチン非使用群 (1,043例) を対照として評価した。
Grade3以上の有害事象 (AE) についてはロジスティック回帰モデルを用いて、 ベースライン時のスタチン使用と治療成績との関連を解析した。
スタチンの使用により、 OS (aHR 0.62 [95%CI 0.48-0.79]、 p<0.001)、 PFS (aHR 0.74 [95% CI 0.62-0.89]、 p=0.001)、 CCS (aHR 0.39 [95%CI 0.22-0.70]、 p=0.001) が有意に改善した。
これらの所見は、 サブグループ解析において、 イブルチニブ治療群とイブルチニブ非治療群、 CLL群とSLL群のいずれにおいても一貫していた。
スタチン使用により、 Grade3以上のAEの有意な増加は認められなかった。
著者らは 「スタチン使用は、 4件の第Ⅲ相試験で実施された標準治療のレジメンに関わらず、 CLL/SLL患者の独立した良好な予後因子として同定された。 これらの結果を検証し、 CLL/SLLにおけるスタチンの根本的な影響を検討するには、 さらなる研究が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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