【Am J Gastroenterol】ウステキヌマブ投与、 Crohn病患者の40%が12カ月後臨床的寛解を達成
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2年前

【Am J Gastroenterol】ウステキヌマブ投与、 Crohn病患者の40%が12カ月後臨床的寛解を達成

【Am J Gastroenterol】ウステキヌマブ投与、 Crohn病患者の40%が12カ月後臨床的寛解を達成
Johnsonらは、 クローン病 (CD) 患者を対象に、 ウステキヌマブ (本邦商品名: ステラーラ®) の実臨床における有効性と安全性を評価。 ウステキヌマブは、 CDの安全かつ効果的な治療法であり、 高度難治性患者集団の40%が12カ月後の臨床的寛解を達成したと報告した。 本研究は、 Am J Gastroenterol誌において発表された。

📘原著論文

The Real-World Effectiveness and Safety of Ustekinumab in the Treatment of Crohn's Disease: Results from the SUCCESS Consortium. Am J Gastroenterol. 2022 Sep 30. doi: 10.14309/ajg.0000000000002047.PMID: 36191274

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

アカデミアでは 「有効性」 は明確に定義されています。 Effectiveness:→現実的な 環境や条件下における診療行為の有効性、 Efficacy→理想的な環境や条件下における診療行為の有効性です。 なので本研究のようなリアルワールドではeffectiveness, RCTなどの理想的条件ではefficacyを使用します。

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ステラーラ点滴静注130mg

ウステキヌマブ

ステラーラ皮下注45mgシリンジ

ウステキヌマブ

研究デザイン

ウステキヌマブ治療を受けたCD患者の多施設、 多国籍、 コンソーシアムによる後ろ向き調査を利用した。 臨床的寛解、 ステロイドフリー寛解、 内視鏡的寛解、 X線画像的寛解は、 time-to-eventで評価し、 臨床的予測因子は多変量Cox比例ハザード解析で評価した。 重篤な感染症および有害事象は、 入院または治療中止を必要とするものと定義した。

研究結果

合計1,113名が対象となり、 追跡期間中央値は386日であった。

有効性評価

  • 12ヵ月後の臨床的寛解:40%
  • ステロイドフリー寛解:32%
  • 内視鏡的寛解:39%
  • X線画像的寛解:30%
  • 生物学的製剤未使用の患者における臨床的寛解率 (63%)、 内視鏡的寛解率 (55%) が有意に高かった。
  • 多変量解析では、 抗TNF製剤の投与歴 (HR 0.72、 95%CI 0.49-0.99) およびベドリヅマブの投与歴 (HR 0.65、 95%CI 0.48-0.88) は、 内視鏡的寛解の達成可能性を低下させる独立因子であった。
  • 寛解喪失患者の75% (102名中77名) が用量最適化を受け、 57% (77名中44名) が臨床的奏効を達成した。
  • 22.3% (681名中152名) では、 ウステキヌマブが奏効しなかったか、 不完全奏効であったため、 投与量の最適化が行われ、 40.1% (152名中61名) で奏効が認められた。

安全性評価

  • 重篤な感染症は3.4%の患者に発生した。
  • その他の非感染症の有害事象は2.4%の患者に発生した。
  • リンパ腫:1名
  • 関節痛:6名
  • 発疹:6名
  • 頭痛:3名
  • 肝炎:3名
  • 脱毛:3名
  • 神経障害:1名
  • 血管炎:1名

結論

ウステキヌマブは、 CDの安全かつ効果的な治療法であり、 高度難治性患者集団の40%が12カ月までに臨床的寛解を達成した。 ウステキヌマブの最大の治療効果は生物学的製剤未使用の患者に認められ、 投与量の増加により臨床効果を回復できる可能性がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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