診療指針
4ヶ月前

米国臨床腫瘍学会 (ASCO) は、 妊娠中の癌管理に関する臨床実践ガイドラインを公表した。 多職種の専門家パネルにより文献のシステマティックレビューが実施され、 450件の研究 (主に観察研究、 症例集積研究、 症例報告) を基に推奨事項が提示された。 全身療法については、 発育中の胚・胎児への重大な有害リスクを踏まえ、 妊娠中期 (第2三半期) まで延期すべきとされ、 メトトレキサート、 内分泌療法、 HER2標的薬、 VEGF阻害薬、 PARP阻害薬、 抗体薬物複合体、 およびすべての細胞療法は妊娠期間を通じて禁忌とされた。 さらに、 妊娠継続を希望する患者では、 分娩は妊娠37週以降に計画し、 最終化学療法は分娩2~4週前に設定すべきことなどが示された。
倫理的理由から無作為化比較試験は行えないため、 因果関係を強く示すエビデンスが乏しいなどの制約があります。 以下本ガイドラインから読み取れる20のポイントです。
1. 多職種チーム (腫瘍・産科等) で協働する
2. 母児へのリスクを含む十分な同意を得る
3. 画像診断は超音波と非造影MRIを優先
4. CTやPETは避けALARA原則を遵守
5. ガドリニウム造影剤は原則使用しない
6. 生検はFNAより針生検や切除生検推奨
7. 妊娠第1期の化学療法は避ける
8. 抗がん剤用量は実体重に基づき決定する
9. 第2・3期はアンスラサイクリン等使用可
10. プラチナ製剤はカルボプラチンを推奨
11. メトトレキサートは全期間で使用禁忌
12. ホルモン療法や抗HER2療法は禁忌
13. ICI、 VEGF阻害薬、 ADCは禁忌
14. 手術は臨床的適応があれば実施可能
15. 胎児被曝線量は100mGy未満に抑える
16. 胎児超音波は22週以降3-4週毎に行う
17. 分娩2-4週前には化学療法を終了する
18. 分娩時期は37週以降を目標とする
19. 分娩後は速やかに胎盤の病理検査を行う
20. 薬物療法中の母乳栄養は推奨されない
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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