未治療EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ+化学療法は長期でもORR 90.9%と高効果:OPAL最終解析
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HOKUTO編集部

1年前

未治療EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ+化学療法は長期でもORR 90.9%と高効果:OPAL最終解析

未治療EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ+化学療法は長期でもORR 90.9%と高効果:OPAL最終解析
EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) の1次治療において、 第三世代EGFR-TKIオシメルチニブ+プラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法 (OPP療法) の有効性および安全性を検証する第Ⅱ試験OPALの最終解析の結果から、 3年間の最終解析においても安全性および奏効率 (ORR) が90.9%と、 既報と同様に非常に高い有効性が示された。 久留米大学呼吸器内科准教授の東公一氏 (写真) が発表した。

背景

同試験の2022年2月28日をデータカットオフ日とする成績は、 既にEur J Cancer 2023: 185: 83-93で報告されており、 奏効率が90.9%と非常に高かったことが示されている。 今回、 東氏からは、 最終症例登録から3年間の経過観察 (2023年2月末) の終了に基づき、 最終解析結果が示された。

研究デザイン

対象

  • 未治療でEGFR遺伝子変異陽性の進行非扁平上皮NSCLC
  • 20~75歳
  • 全身状態 (PS) が0、 1の患者

方法

67例 (2019年7月~2020年2月に登録) が担当医の選択により、 以下の2群に割り付けられた。

  • A群 (33例) 
シスプラチン75mg/m²+ペメトレキセド (PEM) 500mg/m² (3週おきに4サイクル) にオシメルチニブ (80mgを1日1回) を併用後、 PEM維持療法 (500mg/m²、 3週おき) +オシメルチニブ (80mgを1日1回) を病勢進行 (PD) または許容し難い毒性を認めるまで投与
  • B群 (33例) 
A群のシスプラチンに代わって、 カルボプラチン (AUC 5) を投与 (他は同様のスケジュール) 

評価項目

主要評価項目:ORR

副次評価項目:完全奏効 (CR) 割合、 病勢制御率 (DCR) 、 無増悪生存期間 (PFS) 

研究結果

追跡期間中央値

39.3ヵ月

(範囲36.1-43.7ヵ月) 

患者背景 (A群、 B群)

  • 年齢中央値:65.5歳、 70歳
  • 男性:35.3%、 36.4%
  • 腺癌:97.1%、 100%
  • ⅣA期 / ⅣB期 / 再発:38.2% / 47.1% / 14.7%、 42.4% / 42.4% / 15.2%
  • ECOGPS 0 / 1:70.6% / 29.4%、66.7% / 33.3%
  • EGFR Exon19del / L858R / 両方*:44.1% / 55.9% / 0%、48.5% / 48.5% / 3.0%
*1例のみEGFR Exon19delとL858Rの両者が陽性だった。

ORR

  • A群:90.9%
95%CI 81.1-100%)
  • B群:90.9%
95%CI 81.1-100%)

CR率

  • A群:0%
95%CI 0-0%)
  • B群:6.1%
95%CI 0-14.2%)

DCR

  • A群:100%
95%CI 100-100%)
  • B群:93.9%
95%CI 85.8-100%)

Updated PFS:FAS集団 (中央値)

33.4ヵ月

95%CI 26.8ヵ月-NR)

PFS率 (12ヵ月、 24ヵ月、 36ヵ月時)

90.4%、 71.8%、 49.6%

Updated 全生存期間 (0S):FAS集団 (中央値)

NR

(95%CI NR-NR)

OS率 (12ヵ月、 24ヵ月、 36ヵ月時)

96.9%、 92.3%、 80.0%

グレード3以上の有害事象 (AE)

骨髄毒性が中心であり、 好中球減少がA群で10例 (29.4%) 、 B群で20例 (60.6%) 、 貧血がA群で5例 (14.7%) 、 B群で10例 (30.3%) に認められた。 ほか、 食欲不振を各群で5例、 QTc補正間隔延長を各群で4例認めた。

肺臓炎はA群で2例、 B群で1例の計3例 (4.5%) に認められたが、 いずれもGrade1/2であり、 治療関連死は認めなかった。

治療の完遂

オシメルチニブの治療期間中央値

  • A群:24.1ヵ月
95%CI 0.1-43.2ヵ月)
  • B群:34.1ヵ月
95%CI 0.7-42.9ヵ月)

投与サイクル中央値

  • シスプラチン:4サイクル
(範囲 1-4サイクル)
  • カルボプラチン:4サイクル
(範囲 1-4サイクル)
  • ペメトレキセド (A群):12サイクル
(範囲 1-59サイクル)
  • ペメトレキセド (B群):12サイクル
(範囲 1-52サイクル)

東氏らの結論

EGFR遺伝子変異陽性非扁平上皮NSCLCの1次治療においてOPP療法は非常に高い有効性と認容可能な安全性を示し、 有望な治療法と考えられた。 今後、 OSの追跡研究が計画されている。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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