海外ジャーナルクラブ
4日前

Nassiriらは、 終末期の膀胱機能障害を有する成人を対象に、 血管柄付き複合組織としての膀胱同種移植 (膀胱腎同時移植) をfirst-in-humanのphase 0実行可能性試験で検討した。 その結果、 41歳男性の1例において8時間の手術が術中合併症なく完遂され、 移植後6ヵ月超にわたり良好な膀胱・腎機能と拒絶反応の所見を認めないことが報告された。 試験結果はLancet誌に発表された。
本研究の限界として1例のみで追跡期間が短いことが挙げられますが、 この世界初のヒト膀胱移植では、 技術的実現可能性および安全性という主要評価項目を達成しています。
終末期膀胱機能障害への現行の外科的治療は、 腸管を用いた再建術が中心であるが、 免疫抑制下の患者では相当の合併症リスクが伴う。
こうした限界を背景に、 血管柄付き複合組織による膀胱同種移植が新たな再建術の選択肢となり得るかを検討した。
本研究は、 米国の2施設で実施中の、 膀胱単独または膀胱腎同時移植に関するphase 0実行可能性試験である。
適格となる膀胱移植レシピエントは18~70歳で、 非機能かつコンプライアンスの低い膀胱を有する患者であり、 既存または併存の免疫抑制を要する患者を理想的な候補とした。
主要評価項目は、 技術的実行可能性 (グラフト灌流を保ちつつ尿路連続性を回復して手術を完遂すること) と安全性の2点である*。
手術は2025年5月に施行され、 8時間の手術は成功し、 両臓器とも良好な灌流が得られ術中合併症は認められなかった。
術後25日目に恥骨上瘻孔からの尿漏れと創離開 (Clavien-Dindo 4) を発症したが、 外科的に管理され良好に回復した。
移植後6ヵ月を超えて、 患者は適切な腎機能 (eGFR 52~55mL/min/1.73m²) と膀胱グラフト機能を維持した。
著者らは、 「first-in-humanの膀胱腎同時移植は、 血管柄付き複合組織としての膀胱同種移植の技術的実行可能性を示し、 6ヵ月を超えて膀胱グラフト機能・知覚・尿禁制・排尿パラメータが維持され拒絶も認められなかった。 これらの所見より、 膀胱移植は、 終末期膀胱機能障害を有する一部の患者、 特に免疫抑制患者にとって有用な選択肢となり得ることが示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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