海外ジャーナルクラブ
7日前

Marshallらは、 無症候性内頸動脈狭窄率70%以上の患者を対象に、 頸動脈血行再建が認知機能に及ぼす効果が、 脳血行動態障害の程度によって異なるかを、 無作為化比較試験CREST-2のサブスタディCREST-Hで検討した。 その結果、 ベースライン時に認知機能低下を認めた51例では、 1年後の複合認知zスコアに血行再建+強化内科的管理 (IMM) 群とIMM単独群との有意差は認められず、 治療群と脳血行動態障害の程度との交互作用も有意ではなかった。 試験結果はJAMA誌に発表された。
頸動脈狭窄の罹病期間が不明で、 症候性頸動脈狭窄患者では異なる結果となる可能性があります。
無症候性の内頸動脈 (ICA) 狭窄を有する患者における脳血行動態障害は、 認知機能の低下と関連している。 こうした患者において、 血行再建が認知機能障害への有効な治療となり得るかどうかは明らかでない。
そこで、 高度な無症候性ICA狭窄への血行再建による認知機能に対する有益性が、 ベースラインの脳血行動態の程度によって異なるかどうかを検証した。
本研究は、 多施設共同の第Ⅲ相無作為化比較試験CREST-2のサブスタディ (CREST-H) である。 対象は認知症のない35~86歳の成人で、 一側性の無症候性ICA狭窄70%以上を有する患者とした。 北米61施設で登録されたCREST-2の対象2,485例のうち、 392例が登録された。 ベースラインの脳血行動態は、 MRまたはCT灌流画像を用いて評価した*。
患者は以下の2群に割り付けられた。
主要評価項目は、 5種類の認知機能検査に基づく複合認知zスコアの1年間の群間差である**。 主要解析では、 ベースラインで認知機能が低下していた患者を対象に、 治療群とベースラインの脳血行動態の程度との交互作用を検定した。
291例が解析対象となり、 このうちベースラインで認知機能が低下していたのは51例 (血行再建群25例、 IMM単独群26例) であった。
主要解析にて、 1年間の認知機能に治療群間の差は示されなかった。
複合認知zスコアの平均 (SD) : 血行再建群
複合認知zスコアの平均 (SD) : IMM単独群
調整後の認知zスコア差 -0.15SD (95%CI -0.54~0.24SD)
治療群とベースライン時の脳血行動態障害の程度との交互作用を検討したが、 両群間で有意差は認められなかった (β推定値 0.018、 95%CI -0.025~0.061、 p=0.40)。
著者らは 「ベースラインで認知機能が低下している患者において、 脳血行動態の状態による血行再建とIMM単独の1年間の認知機能への効果の差は認められなかった。 このことは、 慢性の無症候性頸動脈狭窄において、 血行再建が脳血流回復によって認知機能障害を改善するものではないことを示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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