寄稿ライター
3日前
こんにちは、 Dr.Genjohです。 7月20日に投開票された参院選は、 政権与党 (自民・公明) の過半数割れ、 参政党の台頭などが話題となりました。 我々医師が最も注目するべきポイントはどこか、 2回に分けて考察します。
結論から述べると、 注目のポイントは、 日本医師会が運営母体となっている政治団体・日本医師連盟(日医連)が推薦した候補の去就でしょう。
選挙区選では自身が居住する地域の候補者にしか投票できません。 一方、 比例代表選では全国の候補者から選んで、 名指しして投票ができます。 そのため、 建設や農業、 郵便局など各業界団体がそれぞれ比例代表候補を擁立し、 組織票の力で国政に議員を送り込もうとします。
擁立した候補者が当選すれば、 出身組織の政策要望などを国政レベルで実現させやすくなる一方、 落選すれば、 その業界に関連する政策の優先度が落ちてしまいかねません。 つまり、 日医連の推薦候補の当落は間違いなく今後の医療業界の在り方を左右するといえます。
今回の参院選で日医連が擁立し、 自民党が公認した釜萢敏(かまやちさとし)氏の去就が最大の注目点でした。 日本医師会副会長でもある釜萢氏は17万4434票を獲得し、 自民の比例代表枠12枠のうち8位で当選しました。
日医連が過去に擁立した参院選の比例代表候補の得票数を見てみましょう。
2022年 自見英子氏(2期) 21万3369票、 8位当選
2019年 羽生田俊氏(2期) 15万2807票、 16位当選
2016年 自見英子氏(1期) 21万 562票、 9位当選
2013年 羽生田俊氏(1期) 24万9818票、 6位当選
政権与党が大きく議席数を減らした中で17 万票という数字は健闘したと言えなくもないですが、 日医連推薦候補の得票数はそもそも漸減傾向にあります。
日本医師会の会員数は18万人弱 *¹⁾ です。 その家族も含めると、 日医連の集票力・組織力は低下してきていると言わざるを得ません。
一部報道によると、 今回の参院選で立候補した医師資格保持者は20人で、 そのうち7人が当選しました。
内訳をみると、 比例代表では立候補者6人のうち4人が当選。 当選者のうち2人が政権与党(自民党1、 公明党1)でした。 選挙区では14人が立候補し、 3人が当選。 当選者全員が政権与党(自民党2、 公明党1)でした。
当選者7人のうち5人が政権与党の推薦候補であり、 特に選挙区では政権与党の推薦の影響は強かったと言えます。
*¹⁾日本医師会 : 日本医師会会員数調査【令和6年12月1日現在】
Xアカウント : @DrGenjoh
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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