海外ジャーナルクラブ
1年前
Wangらは、 18歳以前にCTによる放射線被曝を受けた若年者の癌リスクを、 症例対照研究で検討。 その結果、 その結果、 特に4回以上のCTスキャンを受けた者では、 特に若年層で癌リスクが上昇することが確認された。 本研究はCMAJ誌において発表された。
CMAJはそれほど多くの論文を発信する訳ではないのですが、 以前より歴史的に意義のあるを定期的に発信しています。 小児のCT検査については親の希望による撮像が増えているように思いますが、 本研究はその傾向に注意喚起を促す科学的根拠となる素晴らしい研究です。
小児は成人よりも放射線による障害を受けやすいが、 CT中の放射線被爆後の癌のリスクを異なる年齢の小児で比較した研究はほとんどない。
台湾の公費医療制度のデータを用いて、 入れ子式の集団ベースの症例対照研究を実施。
18歳以前にCTによる放射線被曝を受けた25歳未満の若年者。
18歳以前に受けたCTスキャンで、 指標日 (症例では癌診断日) より3年以上前に受けたものを曝露とみなした。
条件付きロジスティック回帰モデルおよび発生率比 (IRR) を用いて、 これらの癌のリスクとCT放射線被曝の関係を推定。
7,807例の症例を特定し、 78057例の対照者とマッチングした。
1回のCT検査による被曝は、 頭蓋内腫瘍、 白血病、 リンパ腫のリスクを増加させなかった。
4回以上のCT検査を受けた参加者は、 対象となる癌のいずれか1つの発生率が増加した。
6歳またはそれ以前に4回以上のCT検査の曝露が、 最も高い癌リスクと関連していた。
1回のCT検査による被爆は、 小児におけるその後の頭蓋内腫瘍、 白血病、 リンパ腫のリスク増加とは関連しなかったが、 4回以上のCT検査を受けた者では、 特に6歳以下の若年層で癌リスクが増加することが確認された。 これらの癌はまれであるが、 本研究の結果は、 小児集団におけるCTの慎重な使用の重要性を強調するものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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