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2年前
McQuadeらは、 ニボルマブ単剤およびニボルマブ+イピリムマブ併用療法を受けた進行がん患者を対象に、 BMIと免疫関連有害事象 (irAE) の関連性を、 CheckMate試験の後ろ向き統合解析で検討。 その結果、 肥満は、 ニボルマブ単剤治療患者のあらゆるグレードのirAEの発生率の増加と関連し、 女性患者のみにおいてグレード3または4のirAEの発生率と関連する事が示唆された。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。
アカデミアの視点からは、 abstractにはObesity appeared to be associated with…とあるように現時点では弱い仮説の提唱にすぎません。 本文のmeaningにはさらにObesity may be associated with…と記載がありますから今後のさらなる研究が必要です。 少し結果に一貫性が欠ける印象を受けます。
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免疫チェックポイント阻害剤による生存率の向上は、 肥満の患者と正常なBMIの患者との間で報告されている。 しかし、 肥満と免疫チェックポイント阻害剤の安全性との関連については研究が必要である。
CheckMate試験から得られた3,772名の患者のデータによる後ろ向き統合解析。
患者は以下の治療を受けた。
試験開始時点のBMIにより、 標準体重または低体重 (25未満)、 過体重 (25〜30未満)、 肥満 (30以上) に分類された。
全コホートおよびサブグループの肥満および標準体重または低体重の患者について、 irAEのあらゆるグレードおよびグレード3または4の発生率のORおよび95%CIを算出。
ニボルマブ3mg/kg単剤群では、 肥満の患者 (543名) と標準体重または低体重の患者 (1,266名) で、 あらゆるグレードのirAEの発生率が高くなった (OR 1.71、 95%CI 1.38-2.11)
グレード3または4のirAEの発生率は、 肥満の患者と標準体重または低体重の患者との間で差がなかった (OR 1.21、 95%CI 0.92-1.61)。
肥満と標準体重または低体重の女性患者では、 グレード3または4のirAEの発生率が高かった (OR 1.73、 95%CI 1.07-2.79)。
ニボルマブとイピリムマブの併用療法を受けた患者では、 irAEの発生率はBMIカテゴリー間で一貫しているようであった。
肥満は、 ニボルマブ単剤治療患者におけるあらゆるグレードのirAEの発生率の増加と関連し、 女性患者のみにおいてグレード3または4のirAEの発生率と関連するようであった。 これらの知見は、 irAE発症リスクの高い患者さんのモニタリングに役立つと思われる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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