HOKUTO編集部
5ヶ月前

HER2変異陽性の進行/転移性非扁平上皮NSCLCを対象に、 1次治療としてのHER2特異的チロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) ゾンゲルチニブの有効性および安全性を評価した第Ib相試験Beamion LUNG-1の未治療患者 (コホート2) の結果から、 良好な奏効率と忍容可能な安全性が示された。 英・The Royal Marsden HospitalのSanjay Popat氏らが発表した。
本試験は用量漸増・拡大試験であり、 HER2チロシンキナーゼドメイン (TKD) 変異を有する進行非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象とする1~5のコホートで構成される。 既治療の患者を対象としたコホート1、 3、 5の結果は既に報告されており、 ゾンゲルチニブが臨床的に有意なベネフィットと忍容可能な安全性を示した¹⁾。
今回は、 未治療の患者を検証したコホート2の結果が報告された。
コホート2の対象は、 未治療の進行/転移性非扁平上皮NSCLCで、 HER2 TKD変異陽性の患者だった。 安定または無症候性の脳転移患者も組み入れ可能とされた。
患者はゾンゲルチニブ120mgを1日1回経口投与された。
主要評価項目は、 盲検下独立中央判定 (BICR) による奏効率 (ORR) だった。 副次評価項目にはBICRによる無増悪生存期間 (PFS) などが設定された。
データカットオフ (2025年5月8日) 時点で、 74例が1次治療としてゾンゲルチニブ120mgの投与を受けた。 年齢中央値は67歳、 ベースライン時に患者の30%が脳転移を有していた。
ORRは77% (95%CI 66-85%、 p<0.0001) だった。 内訳は、 完全奏効 (CR) が6例 (8%)、 部分奏効 (PR) が51例 (69%) だった。
病勢コントロール率 (DCR) は96% (95%CI 89-99%) に達した。 奏効までの期間 (DoR) 中央値は1.4ヵ月 (範囲 1.1-6.9ヵ月) だった。
追跡期間中央値11.0ヵ月 (95%CI 9.7-12.4ヵ月) における6ヵ月推定PFS率は79% (95%CI 68-87%) で、 追跡期間中央値9.7ヵ月 (同 7.1-9.9ヵ月) における6ヵ月推定DoR率は80% (同 65-89%) だった。 データカットオフ時点で、 奏効を示した患者の47%が治療を継続していた。
治療関連有害事象 (TRAE) は91%で報告され、 Grade 3は18%だった。 Grade 4/5のTRAEは報告されなかった。
主なTRAE (全Grade/Grade 3) は以下のとおり。
間質性肺疾患/肺臓炎は2例 (3%) で発現したが、 いずれもGrade 2だった。
Popat氏は 「HER2変異陽性進行NSCLCにおいて、 ゾンゲルチニブによる1次治療は、 臨床的に意義のある有効性と管理可能な安全性プロファイルを示した」 と報告した。 この結果に基づき、 標準治療とゾンゲルチニブを比較する第III相Beamion LUNG-2試験が現在進行中である。

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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