寄稿ライター
4ヶ月前
医師の皆さん、 頑張りすぎてないですか?心身ともに疲れていませんか?連載 「医師のためのボディメンテナンス」 の5回目では、猛暑で睡眠不足になったり、 冷房で身体がだるくなったりする症状に自分でできるオススメのツボ刺激とその部位をご紹介します。
連日の猛暑、 冷房による身体のだるさやドライアイ、 睡眠不足や疲れなどの不調を抱えていませんか?夏の異常な暑さは、 頭がぼーっとして集中力がなくなったり、 湿気が足に溜まって足がだるくなったりするほか、 食欲不振による体力低下、 業務効率の低下などが出やすくなります。
エアコンの効いた部屋に長くいると体温の調節ができにくくなり、 なかなか体温が下がらないことも不眠につながります。 睡眠を十分にとることは体調管理の上で大事です。 今回は、 疲れた身体を安眠に導くツボ刺激とその部位を紹介します。
夏は頭に熱が上がりやすいので、 足を刺激して熱を下に下げることや、 下肢の循環を良くすることが大事です。 また、 身体の中心に位置するお腹を温めることで気持ちを落ち着かせる効果もあります。
おへその少し上を軽く押した時に 「うっ」 とくる痛みがある場合、 東洋医学では 「瘀血 (おけつ) 」 と判断します。 「瘀血」 は全身の冷えからくることが多く、 血が滞りドロドロ状態になると考えられています。
お腹が硬く冷えて下を向く姿勢となるため、 全身の血の巡りも悪いので、 試しに寝る前に仰臥位で5分ほどお腹を温めてみてください。 温め方は、 お腹の上に蒸しタオルか使い捨てカイロを当てるのが簡単です【写真1】。
おへその周りは多くのツボがあり、 お腹全体を温めると、 よく眠れるだけでなく、 手足もポカポカ温かくなって睡眠へ誘います。 全身の血行が良くなるということは、 副交感神経を高め、 リラックスした状態に導きます。
注意点としては、 使い捨てカイロなどを使用する際は、 直接お腹に置かず、 下着の上から温めること。 皮膚の上に置いてそのまま寝ると、 低温やけどを起こす危険があります。
睡眠中にお腹を温めることは腸の蠕動運動も活発化させ、 翌朝のお通じも良くなるとの研究報告もあります*¹。
巷ではリフレクスソロジィーや足裏のマッサージが人気ですが、 足裏には湧泉 (ゆうせん) というツボがあります。 湧泉は体調のサインが現れ、 疲労回復に効く万能ツボとして利用されています。 足の裏、 土踏まずの斜め上辺りで、 足の指を曲げて一番へこむ場所です【写真2】。
【写真3】のように親指を重ね1回3~5秒かけて3~4回押してみてください。 少し痛いけど心地良い強さで押すのがポイントです。 ズーンと奥に響く感じの圧がベストです。
全身の血行の巡り、 特に下半身の血行が良くなります。 足の冷えが気になり眠れない時は、 寝る前に刺激すると足がほんのり温まります。 押してみると 「足が軽くなった、 温かくなった」 という感じはありませんか?
もう一つ、 失眠 (しつみん) というツボご紹介します。 かかとの中央付近です。 名のとおり、 眠りを失った方のためのツボです。
押し方は、 【写真4】のように足のかかとの中心部の失眠を指の関節で強く1回3~5秒かけて3~4回押します。 裏片手で足首を持ち、 反対側の手で握りこぶしを作って 「失眠穴」 を20回程度、 ゆっくりたたきます。
失眠は、 古くから不眠改善の代表格といわれているツボです。 神経が興奮しているのを鎮める効果もあります。 【写真5】のように、 お湯を入れたペットボトルでかかとを温めることも、 ツボ押しと同じ効果が得られます。
指で押しながら、 ゆっくり5秒かけて息を吐いていく▽3~5秒くらいかけて息を吸いながらツボ押しを解除していく――これを5回繰り返してください。 息を吐きながらツボを刺激すると、 ズーンとした感覚が心地良い響きとなりませんか?いかがでしょうか。
足がポカポカしてきましたか?睡眠前までスマホを見続けることは控えて、 数分の間、 お腹や足裏のツボ刺激を行い、 安眠に導く東洋医学的メゾットで暑い夏を乗り切ってください。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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