海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Osipenko氏らは、 2000~19年に英国立医療技術評価機構 (NICE) に提出された医療技術評価 (HTA) のデータを用いて、 医薬品およびその他医療技術のエビデンスの質について後ろ向きに解析した。 その結果、 提出されたエビデンスの3分の2はエビデンスの質が低いまたは許容できないものであり、 20年間改善されていないことが判明した。 本研究はBMJ Open誌にて発表された。
この20年で研究の質を根本的に向上させるような技術革新は行われていないので当然といえば当然の結果です。 AIの技術がここ5年間で進歩しましたが、 研究の質を上げるものではありません。 RCTがより円滑に行えるようになるような倫理面・データ管理面での世界的な進歩が期待されます。
NICEは医薬品や医療機器の評価において、 臨床および経済的データに基づく意思決定を支援する。 しかしデータの不確実性は、 医療技術評価プロセスから肯定的な結果が得られる可能性を低下させるか、 より複雑にしている。
2000~19年に公表され、 2020年時点でNICEに掲載されていた技術評価を対象とした。
全ての技術評価について、 公開されている複雑技術評価と単一技術評価の報告書および最終評価決定書から、 製造業者がNICEに提出した無作為化比較試験の質と全体的なエビデンスの質に関するデータ、 比較対照のエビデンスの質とQOLの質に関するデータを抽出し、 エビデンスの質を①高い (good) 、 ②許容できる (acceptable) 、 ③低い (poor) 、 ④許容できない (unacceptable) の4段階でスコア化した。
技術評価の内訳
評価対象の医療技術
① 「高い」 : 7% (30件)
② 「許容できる」 : 42% (173件)
③ 「低い」 : 41% (166件)
④ 「許容できない」 : 10% (40件)
① 「高い」 : 1% (5件)
② 「許容できる」 : 34% (139件)
③ 「低い」 : 55% (224件)
④ 「許容できない」 : 10% (41件)
① 「高い」 : 5% (15件)
② 「許容できる」 : 39% (120件)
③ 「低い」 : 39% (119件)
④ 「許容できない」 : 17% (51件)
① 「高い」 : 7% (21件)
② 「許容できる」 : 33% (102件)
③ 「低い」 : 44% (135件)
④ 「許容できない」 : 15% (47件)
著者らは 「全体的なエビデンスの質は20年間にわたり改善を認めなかった」 と総括している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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