【Rheumatology】変形性関節症、関節内ステロイド注射で鎮痛薬の長期使用減
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海外ジャーナルクラブ

2ヶ月前

【Rheumatology】変形性関節症、関節内ステロイド注射で鎮痛薬の長期使用減

【Rheumatology】変形性関節症、関節内ステロイド注射で鎮痛薬の長期使用減
Hawleyらは、 変形性関節症患者を対象に、 関節内コルチコステロイド (IACI) 注射がその後の鎮痛薬の長期使用に及ぼす影響をコホート研究で検討した。 その結果、 IACIの単回または反復投与で各種鎮痛薬の長期使用が抑制される可能性が示唆された。 研究結果はRheumatology誌に発表された。 

📘原著論文

Effect of intra-articular corticosteroid injections for osteoarthritis on the subsequent use of pain medications: a UK CPRD cohort study. Rheumatology (Oxford). 2025 Mar 1:keaf126. Online ahead of print. PMID: 40036958

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

「特に60歳以上の高齢者で、 膝の変形性関節症に対するIACIは非配合オピオイドを含む10回以上の繰り返し処方の減少とも関連した」 とのことです。

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Lancet Rheumatol. 2025 Feb 5:S2665-9913(24)00373-4.

背景

従来のエビデンスは膝関節症関連が多く、 長期データも不足

IACIの有効性に関するこれまでの知見には大きな異質性があり、 一貫した効果は示されていない。

また、 長期的なエビデンスが不足している上、 これまでのエビデンスのほとんどは膝関節症に関するものである。

そこでこの研究では、 変形性関節症に対するIACI投与が、 鎮痛薬の長期使用に及ぼす影響をコホート研究で評価した。

研究デザイン

IACI使用による各鎮痛薬の長期使用率を評価

2005~19年に変形性膝関節症、 股関節症、 手関節症または肩関節症の診断を受け、 英・ Practice Research Datalink (CPRD) GOLDプライマリケアデータベースに登録された患者を対象としたコホート研究で、 IACIの単回使用または反復使用に着目し、 以下の鎮痛薬における5年間の使用率を主に評価した。

  • オピオイド鎮痛薬
  • オピオイド+非オピオイド鎮痛薬併用
  • 経口コルチコステロイド
  • パラセタモール
  • 経口および局所非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)

未測定交絡因子の影響を制御するため、 操作変数解析が実施された。 2次解析には、 傾向スコアマッチングおよびCox回帰解析が用いられた。

結果

変形性膝・手関節症ではIACI後に複数の鎮痛薬使用が減少

変形性膝関節症患者7万4,527例において、 IACIの使用は、 以下を含むほとんどの鎮痛薬のその後の使用低下との関連が認められた。

  • IACI単回使用後のオピオイド+非オピオイド鎮痛薬併用 (治療必要数 [NNT] 5 [95%CI 5-6]、 p<0.001)
  • IACI反復使用後のオピオイド鎮痛薬 (NNT 12 [95%CI 8-546]、 p=0.049)

また、 変形性手関節症患者1万5,092例で、 IACI単回使用に以下の鎮痛薬の使用減少との関連が認められた。

  • オピオイド+非オピオイド鎮痛薬併用
  • パラセタモール
  • 経口NSAIDs

各変形性関節症でIACI後に、 オピオイド+非オピオイド鎮痛薬の使用率が低下

2次解析では、 各変形性関節症でIACI単回使用後のオピオイド+非オピオイド鎮痛薬併用の使用率が低いことが確認された。

  • 変形性膝関節症 (HR 0.88 [95%CI 0.81-0.96])
  • 変形性股関節症 (HR 0.76 [95%CI 0.62-0.92])
  • 変形性手関節症 (HR 0.77 [95%CI 0.61-0.98])
  • 変形性肩関節症 (HR 0.72 [95%CI 0.53-0.99])

結論

IACIが変形性関節症に用いる鎮痛薬の長期使用減少に寄与する可能性

著者らは 「IACIは、 変形性膝関節症または手関節症に対して、 局所NSAIDsを除く鎮痛薬の長期使用減少と関連していた。 また、 変形性膝関節症、 股関節症、 手関節症、 肩関節症の患者に対して、 IACIはオピオイド+非オピオイド鎮痛薬併用の長期使用率減少に有用である可能性が示された」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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