HOKUTO編集部
6ヶ月前

シスプラチン (CDDP) 不適格の筋層浸潤性膀胱癌 (MIBC) に対する術前術後療法としての抗Nectin-4標的抗体薬物複合体エンホルツマブ ベドチン (EV) +抗PD-1抗体ペムブロリズマブ (pembro) 併用療法の有効性および安全性を、 手術単独を対照に評価した第III相無作為化比較試験KEYNOTE-905/EV-303の結果から、 EFSが有意に改善した。 ベルギー・Integrated Cancer Center GhentのChristof Vulsteke氏が発表した。
MIBCの標準治療は、 術前CDDP併用化学療法と、 根治的膀胱全摘除術+骨盤内リンパ節郭清術である。 しかしMIBC患者の約50%はCDDP不適格であることから、 CDDP不適格患者を対象とした新たな周術期治療戦略の確立が強く求められている。
対象は、 CDDP不適格 (Galsky基準) または拒否したMIBC患者 (T2-4aN0M0またはT1-4aN1M0) だった。
344例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 盲検下独立中央判定 (BICR) によるEFS*だった。 主要副次評価項目は、 全生存期間 (OS) および中央病理判定による病理学的完全奏効率 (pCR) だった。
2025年6月6日のデータカットオフ時点において、 追跡期間中央値は25.6ヵ月 (範囲 11.8-53.7ヵ月) だった。 患者背景として、 Galsky基準によるCDDP不適格はEV+pembro群が83.5%、 対照群が79.9%、 PD-L1 CPS≧10はそれぞれ47.1%/47.7%だった 。
EFS中央値は、 対照群の15.7ヵ月 (95%CI 10.3-20.5ヵ月) に対し、 EV+pembro群ではNR (同 37.3ヵ月-NR) と有意に改善した (HR 0.40 [同 0.28-0.57]、 p<0.0001)。 12ヵ月、 24ヵ月EFS率はそれぞれ77.8%/55.1%、 74.7%/39.4%だった。
またEFSサブグループ解析の結果、 事前に規定されたほぼ全てのサブグループにおいて、 EV+pembro群の対照群に対する優位性が一貫して認められた。
OS中央値は、 EV+pembro群がNR (95%CI NR-NR)、 対照群が41.7ヵ月 (同 31.8ヵ月-NR) で、 EV+pembro群で有意に改善した (HR 0.50 [同 0.33-0.74]、 p=0.0002)。 24ヵ月OS率はそれぞれ79.7%/63.1%だった。
pCR率は、 対照群の8.6%に対して、 EV+pembro群では57.1%と有意に高かった (推定差 48.3%㌽ [同 39.5-56.5%㌽]、 p<0.000001) 。
治療中のGrade3以上の有害事象 (TEAE) 発現率は、 EV+pembro群71.3%、 対照群45.9%だった。 TEAEによる死亡率はEV + pembro群で7.8%、 対照群で5.7%だった。
薬剤関連の有害事象 (全Grade) 発現率は、 EV+pembro群ではEV関連の皮膚反応 (57.5%)、 末梢神経障害 (36.5%)、 pembro関連の甲状腺機能低下症 (14.4%)、 重度の皮膚反応 (13.8%) などが報告された。
Vulsteke氏は 「CDDP併用化学療法が不適格または拒否のMIBC患者において、 周術期EV+pembroは新たな標準治療となる可能性がある」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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