海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Millerらは、 過去10年間に乳癌と診断された米国在住の成人患者を対象に、 誤情報への曝露が癌再発への恐怖および治療アドヒアランスに及ぼす影響をオンライン調査で検討した。 その結果、 誤情報への曝露は一般的である一方で、 癌再発への恐怖や治療アドヒアランスとの関連性は認められなかった。 本研究はJAMA Netw Openにおいて発表された。
本調査では誤情報への曝露について評価していますが、 情報源 (例 : SNS、 友人、 医療者) や、 参加者がその誤情報をどの程度信じたり行動に移したりする意図があるかは評価しておらず、 介入への応用可能性が制限される可能性があります。
米国では医療に関する誤情報がオンラインプラットフォームやソーシャルメディアを通じて急速に広まっており、 懸念が高まっている。 癌患者の大多数がソーシャルメディアで治療に関する誤情報に曝されており、 その多くが一部の誤情報を真実と考え、 他者と共有する意思があったとする2023年の調査結果も報告されている¹⁾。
一方で、 誤情報への曝露が、 癌再発への恐怖やエビデンスに基づく治療アドヒアランスに及ぼす影響は明らかではなかった。
そこで、 Breastcancer.orgが患者向けオンライン調査を2023年7~8月に実施し、 過去10年間に乳癌と診断された米国在住の成人患者997例を対象として、 誤情報への曝露が癌再発への恐怖および治療アドヒアランスに及ぼす影響について検討した。
主要なアウトカムは誤情報に関する調査回答であった。 副次的なアウトカムには再発への恐怖が含まれ、 Fear of Cancer Recurrence Inventory-Short Form (FCRI-SF、 0~36点で評価、 22点以上で臨床的に意義のある恐怖を示す) を用いて評価した。 χ²検定により、 誤情報への曝露と再発への恐怖および治療アドヒアランスとの関連を評価した。
対象患者997例の年齢中央値は62歳 (四分位範囲 [IQR] 53-69歳) であり、 黒人が5%、 ヒスパニック系が4%、 白人が86%を占めていた。 既婚者が75%、 大卒が78%であり、 52%が癌治療を積極的に受けていた。
回答者の76%が乳癌に関する誤情報に曝露していた。
65%が砂糖、 デオドラント、 携帯電話、 ワクチンといった要因が癌の病勢進行または再発リスクを高めるとの誤情報に曝露したと回答した。 一方で、 54%がオーガニック食品、 ビタミン剤やサプリメント、 アルカリ性食品といった要因が癌の病勢進行または再発リスクを低減するとの誤情報に曝露したと回答した。
再発への恐怖を示すFCRI-SFスコア中央値は19点 (IQR 13-24点) であり、 38%が臨床的に意義のある恐怖を感じていた。 また、 自己申告された治療遵守率は76%であった。
誤情報への曝露は、 臨床的に意義のある再発への恐怖 (曝露群 38% vs 非曝露群 35%、 χ²=0.53、 P=0.47) または治療中断 (23% vs 26%、 χ²=0.90、 P=0.34) と関連しなかった。
著者らは 「本調査では医療に関する誤情報への曝露は一般的であり、 癌治療後の継続的な診療において、 患者とのコミュニケーションを改善させる必要性が示唆された。 一方で、 誤情報への曝露は再発への恐怖とは関連しなかった。 特に誤情報拡散リスクが高い集団において、 患者が誤情報をどのように受け止め、 対応しているかを検討するさらなる研究が不可欠である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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