海外ジャーナルクラブ
1年前
Thieleらは、 妊婦に対する鉄分入りサプリメントの提供が貧血の改善や分娩後の輸血の減少に及ぼす影響を質改善研究で検討した。 その結果、 出産前の受診時に鉄分入りサプリメントを提供することは、 ヘマトクリット値や貧血の発生率の改善、 および輸血の減少と関連していた。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。
貧血の指標なのでモグロビン値ではなく、 ヘマトクリット値を評価している点はLimitationといえます。
産後の輸血は、 米国において妊産婦の重症指標であり、 貧血率の高さは輸血率の増加と関連している。
米国・テキサス州のParkland Healthにおいて出産した妊婦:1万3,910例
母体のヘマトクリット値の変動、 貧血の発生率、 急性出血性貧血に対する産後の輸血頻度。
出生前にサプリメントを提供された患者は、 未提供の患者と比較し、 すべての時点においてヘマトクリット値が上昇しており、 分娩入院時の平均差は1.27% (95%CI 1.13-1.42) であった。
サプリメント未提供の患者は入院時に18%が貧血であったのに対し、 サプリメントを提供された患者の貧血は11%であった。
リスク比 (RR) 0.61、 95%CI 0.56-0.66
サプリメントを提供された患者では、 急性出血性貧血に対する産後の輸血が1,000人あたり10回から6.6回へと3分の1に減少した。
RR 0.62、 95%CI 0.43-0.91
出産前の受診時に鉄分入りサプリメントを提供することは、 ヘマトクリット値や貧血の発生率の改善、 および産後の輸血の減少と関連していた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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