海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Ryanらは、 アルテプラーゼを遺伝子改変した血栓溶解薬tenecteplaseについて、 網膜中心動脈閉塞症の視力回復への有効性を検証するため、 発症から4.5時間以内の患者を対象にtenecteplase+プラセボ群とプラセボ+アスピリン群に割り付け比較した。 その結果、 30日後の視力回復率はtenecteplase群で20%、 アスピリン群で24%であり、 有意な回復は認められなかった。 一方で、 tenecteplase群では有害事象がより多く発生し安全性上の懸念が残った。 試験結果はNEJM誌に発表された。
発症から4.5時間以内の患者の組み入れにおいて、 発症時刻が患者の自己申告のみに依存していた点はlimitationです。
網膜中心動脈閉塞症は永続的な視力喪失を起こし得るが、 有効な治療法は確立していない。
網膜中心動脈閉塞症発症から4.5時間以内の成人を対象とした、 第Ⅲ相二重盲検二重ダミー無作為化比較試験である。 患者は、 tenecteplase+プラセボ投与群とプラセボ+アスピリン投与群に1:1で割り付けられた。
主要評価項目は視力回復であり、 30日後の患眼の矯正視力 (BCVA) が0.7 logMAR (20/100以上に相当) 以下となることと定義した。 副次評価項目は、 0.5 logMAR (20/63以上に相当) 以下のBCVA、 BCVA平均改善度、 30日後の視野検査スコアである。 安全性評価項目には、 症候性頭蓋内出血、 大出血、 死亡が含まれた。
78例 (tenecteplase群 : 40例、 アスピリン群 : 38例) が無作為化された。
30日後、 tenecteplase群はアスピリン群に対し有意な視力回復を認めず、 副次的視覚評価項目でも差は認められなかった。
30日後の視力回復
リスク差-3.7%㌽
(95%CI -22.0~14.7%㌽、 p=0.69)
Tenecteplase群では有害事象がより多く発生し、 致死的な頭蓋内出血が1例報告された。
著者らは、 「急性中心網膜動脈閉塞症発症4.5時間以内に静注tenecteplaseを投与しても、 30日後の視力回復は経口アスピリンに比べて高くなく、 重篤な安全性上の懸念が示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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