海外ジャーナルクラブ
1年前
Katasakoらは、 日本の総務省消防庁によるウツタイン様式救急蘇生統計データを用いて、 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対する緊急事態宣言が院外心停止患者の予後に与えた間接的な影響について検討。 その結果、 緊急事態宣言後に院外心停止患者に対するAED使用率が急激に低下し、 神経学的転帰も悪化したことが明らかになった。 本研究はLancet Regional Health誌において発表された。
COVID-19がさまざまな短期アウトカムを低下させたことは実感としてあると思います。 ただ、 PAD*の使用については、 緊急事態宣言の際には極端に低下していますが、 その後元の割合以上に増加している点が注目です。
2017〜20年に本邦で発生した院外心停止患者のうち、 市民による目撃があり、 AEDが使用されたもしくは救急隊到着時点で致死性不整脈が持続していた患者2万1,868例。
院外心停止30日後の神経学的転帰 (CPC 1-2)
AEDの使用
神経学的転帰およびAED使用率は緊急事態宣言発出後に有意に低下した。
最初に緊急事態宣言が発出された都府県と発出されなかった都道府県のそれぞれで評価を行ったところ、 前者において良好な神経学的転帰の割合低下が顕著であった。
COVID-19は、 院外心停止患者における神経学的転帰の悪化およびPAD使用の減少に関連している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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