HOKUTO編集部
2ヶ月前

Zhang氏らは、 再発性進展型小細胞肺癌 (ES-SCLC) に対する二重特異性T細胞誘導抗体タルラタマブの実臨床での投与運用と、 CRS (サイトカイン放出症候群) /免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS)の管理について、 米国10施設の多施設調査をまとめた実践的レビューを発表した。
本研究は米国の10施設からの回答に基づく調査研究であり、 医療制度や医療資源が異なる地域への一般化には注意が必要である。 特に、 医療資源が限られた地域や国では適用可能性が異なる可能性があります。
タルラタマブは、 DeLLphi-304試験においてOS中央値13.6か月と、 化学療法群に比べ有意な延長効果を示し (vs 8.3か月 HR 0.60)、 再発ES-SCLCにおける有効性は確立されている。
一方で、 初回2回の投与にCRSおよびICANSが集中して発現し、 厳格な観察が必要とされる点が、 臨床導入の大きな障壁となっている。 そこで本論文では、 その実践的対応について米国10施設の多施設調査の結果が報告された。
初回2回投与については、 8/10施設で入院管理が行われており、 残る施設でも外来投与後に即時観察入院を組み合わせるなど、 慎重な管理が採用されていた。 一方で、 ECOG PSや転移状況、 社会的サポートなどを考慮した 「低リスク患者」 では外来運用を検討・導入する施設もみられ、 実臨床では柔軟な運用が進みつつある。

CRSおよびICANSの評価には、 ASTCT基準またはMD AndersonのCARTOX基準がすべての施設で用いられており、 ICEスコアを含む標準的評価法が実装されていた。

CRSに対しては、 Grade 2以上での早期トシリズマブ使用が共通して採用されていた。 さらに本文では、 持続するGrade 1 CRSに対しても早期にトシリズマブを使用する戦略が一般的に取られていることが明記されている。 重症化予防を重視した介入が特徴である。
今後の課題として以下が挙げられている。
教育や標準化を進めつつ、 患者背景や施設特性に応じた柔軟な運用を組み合わせることが、 安全性確保と治療アクセス改善の鍵と考えられる。 今後は、 ONWARD-SCLCコンソーシアムによる大規模リアルワールドデータの集積と解析が期待されている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。