HOKUTO編集部
9ヶ月前

PD-L1陽性 (CPS≧10) で未治療の進行または転移性トリプルネガティブ乳癌 (TNBC) における抗TROP-2抗体薬物複合体サシツズマブ ゴビテカン(SG)+抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用療法の有効性および安全性について、 化学療法+ペムブロリズマブ併用療法と比較評価した第III相試験ASCENT-04/KEYNOTE-D19の結果、 PFSが有意に改善した。 米・Dana-Farber Cancer InstituteのSara M Tolaney氏が発表した。
PD-L1陽性の進行または転移性TNBCの1次治療においては、 化学療法+免疫チェックポイント阻害薬の併用が標準治療の1つであるが、 依然として治療成績の向上が望まれている。
SGは過去複数の臨床試験において、 既治療TNBCにおける全生存期間 (OS) ベネフィットを示した。 本試験では、 未治療のPD-L1陽性進行TNBCに対するSG+ペムブロリズマブ併用の有効性と安全性が評価された。
対象は、 PD-L1陽性 (CPS≧10、 22C3アッセイで判定) で未治療の局所進行切除不能または転移性TNBC443例であった。
患者は以下の2群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 盲検下独立中央判定 (BICR) によるPFSだった (データカットオフ2025年3月3日)。 副次評価項目には、 OS、 BICRによる客観的奏効率 (ORR) および奏効期間 (DOR)、 安全性、 QOLなどが含まれた。
患者背景は年齢中央値、 ECOG PS、 転移部位の数なども含め両群間で概ね同等で、 全例がPD-L1 CPS≧10であった。
追跡期間中央値14.0ヵ月におけるBICRによるPFS中央値は、 化学療法群の7.8ヵ月 (95%CI 7.3-9.3ヵ月) に対しSG群で11.2ヵ月 (同 9.3-16.7ヵ月) と有意に改善した (HR 0.65、 同 0.51-0.84、 p<0.001)。
また事前に規定されたサブグループの大部分において、 SG群でPFSベネフィットが一貫して認められた。
BICRによるORRは、 SG群で60% (95%CI 52.9-66.3%)、 化学療法群で53% (同 46.4-59.9) だった (OR 1.3、 95%CI 0.9-1.9)。
DOR中央値はSG群で16.5ヵ月 (95%CI 12.7-19.5ヵ月)、 化学療法群で9.2ヵ月 (同 7.6-11.3ヵ月) と、 SG群でより長かった。
OSデータは本解析時点では中央値は未到達だったものの、 SG群で良好な傾向が認められた (HR 0.89、 95%CI 0.62-1.29)。 なお、 化学療法群中止後に後続治療を受けた患者の81%がSGの投与を受けていた。
全Gradeにおける治療関連有害事象 (TEAE) は両群ともにほぼ全例で発現した。 Grade 3以上のTEAEはSG群の71%、 化学療法群の70%に認められた。 重篤なTEAE発現率はそれぞれ38%、 31%だった。 またいずれかの治験薬の投与中止に至ったTEAEは、 SG群で12%、 化学療法群で31%であった。
SG群で頻度の高かったGrade 3以上のTEAEは、 好中球減少症 (43%)、 下痢 (10%) だった。
Tolaney氏は、 「PD-L1陽性進行TNBCの1次治療として、 SG+ペムブロリズマブ併用療法は、 化学療法+ペムブロリズマブ併用と比較して、 PFSを有意に改善した。 PFSベネフィットは事前に規定されたサブグループの大部分で一貫しており、 ORRも高く、 より持続的奏効が認められた。 さらに、 OSデータはimmatureでありながらも早期に良好な傾向だった。 安全性プロファイルは既存の報告と一致しており、 毒性の相加は認められなかった。 本試験の結果は、 PD-L1陽性の局所進行切除不能または転移性TNBCに対する新たな標準1次治療として、 SG+ペムブロリズマブの併用療法を支持するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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