海外ジャーナルクラブ
1年前
Agarwalは、 転移性去勢抵抗性前立腺癌 (mCRPC) の患者を対象に、 PARP阻害薬talazoparib+エンザルタミド併用療法の有効性と安全性を二重盲検第Ⅲ相ランダム化比較試験TALAPRO-2で検討。 その結果、 talazoparib+エンザルタミド併用療法は臨床的に意味のある、 統計的に有意な画像診断に基づく無増悪生存期間 (rPFS) の改善をもたらした。 本研究はLancet誌において発表された。
腫瘍関連研究ですので、 長期アウトカムも気になります。 製薬メーカーがスポンサードした研究ですが、 本文中にかなり詳細までその役割が記載されており、 かえってスッキリした印象すらあります。
PARP阻害薬talazoparib+エンザルタミドで未治療mCRPCの予後改善
PARPとアンドロゲン受容体活性の抑制は、 相同組換え修復 (HRR) に関わる遺伝子の変化に関係なく、 抗腫瘍効果をもたらすと考えられる。
無症候性または軽症候性のmCRPCの成人男性患者
患者を以下の群に1:1の割合でランダムに割り付け。
rPFS
talazoparib群において、 最も一般的な治療起因性の有害事象は貧血、 好中球減少、 疲労であった。
グレード3~4の有害事象で多く認められたものは貧血 (46%) で、 減量後に改善し、 貧血によりtalazoparibを中止したのは8%のみであった。
治療関連死はtalazoparib群で1例、 プラセボ群で2例 (1%未満) であった。
talazoparib+エンザルタミド併用療法は、 mCRPC患者の初回治療として標準治療のエンザルタミドと比較して、 rPFSの有意な改善を認めた。 最終的な全生存期間のデータおよび追加の長期安全性追跡調査により、 HRR遺伝子変異の有無にかかわらず、 本治療法の臨床的有用性がさらに明らかになるものと思われる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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