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130日前

【Lancet Neurol】片頭痛予防に対する新薬 「エプティネズマブ」の安全性と有効性

Ashinaらは、 過去に片頭痛の予防治療が無効であった成人患者を対象に, 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド抗体である 「エプティネズマブ」 の安全性と有効性を検討する多施設共同第Ⅲb相試験を実施. その結果、 エプティネズマブはプラセボと比較して有意な片頭痛予防効果を示し、 安全性と忍容性は許容範囲であることが明らかとなった. 本研究はLancet Neurol誌において発表された.

背景

カルシトニン遺伝子関連ペプチドを標的とするモノクローナル抗体 「エプティネズマブ」 は、 第Ⅲ相試験において 点滴翌日からの片頭痛予防効果と安全性および忍容性を示したが、 過去に予防治療が失敗した患者のサブグループにおける有益性は検討されていなかった.

研究デザイン

  • DELIVER試験は、 24週間のプラセボ対照二重盲検期間と48週間の用量対照延長期間からなる"多施設共同第Ⅲb相試験"である.
  • 本試験では、 過去10年以内に2~4回の予防的治療の失敗が記録されている、 片頭痛日数が月4回以上 (国際頭痛学会ガイドラインによる)のエピソード性または慢性片頭痛の成人を、 ヨーロッパ (93カ所)およびアメリカ (3カ所)の96の試験会場で募集した.
  • 患者は、 頭痛頻度と国によって層別化された中央無作為化システムにより、 以下の三群に1:1:1の割り合いで無作為に割り付けられた.
  • エプティネズマブ 100mg群
  • エプティネズマブ 300mg群
  • プラセボ群
  • 主要評価項目:1~12週目の月別平均片頭痛日数 (電子手帳を使用)のベースラインからの変化.

研究結果

  • 891名が無作為に割り付けられ、 少なくとも1回の試験薬の投与を受けた.
  • 安全性の解析対象集団
  • エプティネズマブ 100 mg群:299名 (34%)
  • エプティネズマブ 300 mg群:294名 (33%)
  • プラセボ群:298名 (33%)
  • 865名の患者がプラセボ対照期間を終了した.

有効性評価

  • ベースラインから第1-12週までの月平均片頭痛日数の変化
  • エプティネズマブ 100mg群:-4.8 (SE 0.37)
  • エプティネズマブ 300mg群:-5.3 (SE 0.37)
  • プラセボ群:-2.1 (SE 0.38)
  • 平均月間片頭痛日数のベースラインからの変化におけるプラセボとの差は有意であった.
  • エプティネズマブ 100 mg群: (-2.7 95%CI -3.4--2.0, p<0.0001)
  • エプティネズマブ 300 mg群: (-3.2 95%CI -3.9--2.5, p<0.0001)

安全性評価

  • 有害事象はエプティネズマブ 100mg群で299名中127名 (42%)、 エプティネズマブ 300mg群で294名中120名 (41%)、 プラセボ群で298名中119名 (40%)に発現した.
  • 最も頻度が多かった治療関連の有害事象はCOVID-19であった.
  • (エプティネズマブ 100mg群:299名中20名 (7%)
  • エプティネズマブ 300mg群294名中17名 (6%)
  • プラセボ群298名中16名 (5%)
  • 重篤な有害事象はまれであった.
  • エプティネズマブ 100mg群:299例中5例 (2%)
  • エプティネズマブ 300mg群:294例中7例 (2%)
  • プラセボ群:298例中4例 (1% )
  • 重篤な有害事象には以下のものが含まれる.
  • アナフィラキシー反応:エプティネズマブ 300mg群2例
  • COVID-19:エプティネズマブ 100mg群1例 , エプティネズマブ 300mg群1例

結論

  • 片頭痛を有し, 過去に2~4回の予防的治療が無効であった成人患者において, エプティネズマブはプラセボと比較して有意な片頭痛予防効果を示し, 安全性と忍容性は許容範囲であったことから, エプティネズマブはこの患者集団にとって有効な治療選択肢となる可能性が示された.
  • 今回の用量比較試験の延長により、 片頭痛を有し, かつ過去に予防的治療が無効であった患者における長期安全性データが追加される予定である.

原著

Ashina M, et al. Safety and efficacy of eptinezumab for migraine prevention in patients with two-to-four previous preventive treatment failures (DELIVER): a multi-arm, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3b trial. Lancet Neurol. 2022; 21: 597-607.

👨‍⚕️ HOKUTO監修医コメント
Lancet Neurol誌は現在神経領域で、その研究の面白さと質を最も兼ね備えた臨床雑誌と言えると思います. 
こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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