HOKUTO編集部
3日前

プラチナ製剤ベースの化学療法と免疫療法後に進行した進行・再発子宮体癌患者を対象に、 TROP2標的抗体薬物複合体 (ADC) のsacituzumab tirumotecan (sac-TMT) と医師選択治療 (TPC) を比較した第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験TroFuse-005の結果が報告された。 主要評価項目の無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) ともにsac-TMT群で有意に改善した。 イタリア・IRCCS Humanitas Research HospitalのDomenica Lorusso氏が発表した。 同試験の詳細は、 Lancet誌2026年10月26日オンライン版¹⁾に掲載された。
進行・再発子宮体癌では、 プラチナ製剤ベースの化学療法後の奏効率は15%未満、 OS中央値は12ヵ月未満と予後が不良であり、 化学療法と免疫療法後の治療選択肢は限られる。 sac-TMTは、 子宮体癌の90%超で過剰発現するTROP2を標的とするADCである。
本試験では、 プラチナ製剤および抗PD-1/PD-L1抗体の投与歴を有し、 前治療3ラインまでの18歳以上の進行・再発子宮体癌 (癌肉腫を含む) 女性を、 31の国・地域 (242施設) から登録した。 776例を1:1で以下の2群に無作為に割り付けた。
MMR 状態 (欠損型 vs 正常型)、 TROP2 発現 (低発現 vs 高発現)、 過去の治療ライン数 (2回以下 vs 3回以上)、 およびベースライン時の病勢 (測定可能 vs 測定不能) によって層別化された。
主要評価項目は盲検下独立中央判定 (BICR) によるPFSとOS、 主な副次評価項目はBICRによる奏効率 (ORR)、 奏効持続期間 (DoR)、 QOL、安全性であった。 データカットオフは2026年3月23日、 追跡期間中央値は14.0ヵ月であった。
BICRによるPFS中央値は、 sac-TMT群7.2ヵ月 (95%CI 5.6–7.6ヵ月) に対し、 TPC群でな3.9ヵ月 (同3.7–5.3ヵ月) と、 進行または死亡のリスクを41%低減した (HR 0.59、 95%CI 0.50–0.70、 片側p<0.0001)。 12ヵ月PFS率は29.4% vs 12.4%であった。
OS中央値は、 sac-TMT群で19.0ヵ月 (95%CI 16.1ヵ月–NR)、 TPC群で12.1ヵ月 (同11.0–15.2ヵ月) であり、 sac-TMT群ではTPC群と比較して死亡リスクが32%低減した (HR 0.68、 95%CI 0.55–0.84、 片側p=0.0001)。 12ヵ月OS率は63.4% vs 50.8%であった。
ORRは35.1% vs 17.3%であった (群間差17.8%㌽、 95%CI 11.6–23.9、 p<0.00001)。 DoR中央値は11.1 vs 6.9ヵ月であった。
多くの事前規定サブグループでsac-TMT群が優位であった。 一方、 PFSではdMMR (HR 0.72、 95%CI 0.47–1.09)、 TROP2低発現 (HR 0.84、 95%CI 0.60–1.20)、 癌肉腫 (HR 1.52、 95%CI 0.80–2.90) で信頼区間が1をまたぎ、 OSでは癌肉腫 (48例) のHRが2.27 (95%CI 1.09–4.71) であった。
治療関連有害事象 (TRAE) の発現は、 全Gradeで97.1% vs 89.6%、 Grade≧3で54.4% vs 41.4%であり、 Grade≧3は両群とも貧血が最多 (20.8% vs 13.4%) であった。
投与中止に至ったTRAEは3.1% vs 4.9%、 死亡に至ったTRAEは両群とも0.8% (各3例) であった。 sac-TMT群では口内炎が全Gradeで54.9%に認められたが、 含嗽薬による予防の導入後にGrade 3~4の発現は減少した。 全般的健康状態/QOLは両群で維持された。
Lorusso氏は 「sac-TMTは、 既治療の進行・再発子宮体癌において、 TPCを対照群としてPFS・OSおよびORRの有意な改善を示した初のADCである」 と報告。 有効な治療選択肢が限られる本患者集団における新たな標準治療として支持する結果だと結論付けた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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