海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Cinciripiniらは、 初回の禁煙治療に失敗した喫煙者に対する最適な治療選択肢を逐次多段階二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 ニコチン受容体部分作動薬バレニクリンによる初期治療で禁煙できない場合は増量を、 併用ニコチン置換療法 (CNRT) による初期治療で禁煙できない場合は、 増量またはバレニクリンへの切り替えが有効であることが示された。 本研究はJAMA誌において発表された。
本研究では特殊なSequential Multiple Assignment RandomizedTrial (SMART) 法が用いられ、 SMARTの作り出すデータを用いることで、 時間とともに刻々と変化する患者の臨床状態に基づいて処置を推奨することができています。
喫煙者の大部分は初回治療では禁煙に成功しないため、 効果的な再治療の戦略が求められている。
参加者 : 490例
患者を以下の群に無作為に割り付けた。
第1期 (治療開始から6週間)
バレニクリン群には標準用量 (0.5mg/日から開始し漸増、 8日目から2mg/日)、 CNRT群はニコチンパッチ21mg+トローチ2mgを投与した。
第2期 (初期治療後、 7~12週間)
禁煙が確認された参加者は第1期の治療を継続。 非禁煙者については再度無作為化し、 治療継続、 増量 (バレニクリン群 : 3mg/日、 CNRT群 : CNRTパッチ42mg+トローチ2mg)、 切り替え (バレニクリン群はCNRT、 CNRT群はバレニクリン標準用量) に再割り付けして6週間投与した。
12週目の禁煙率
第1期の禁煙成功
第1期非禁煙者の12週時点の禁煙率
増量およびバレニクリンへの切り替えが初期治療の継続よりも有効である事後確率は99%以上であった。
絶対リスク差 (RD) 6% (95%CrI 6-11%)
第1期の禁煙成功
第1期非禁煙者の12週時点の禁煙率
初期用量でのバレニクリンの継続は増量より禁煙率が悪化する事後確率は99%以上
絶対RD -3% (95%CrI -4~-1%)
バレニクリンの投与量を増加させた場合、 有効である事後確率は99%以上であった。
絶対RD 18% (95%CrI 13-24)%
6ヵ月時点の継続的禁断はCNRTとバレニクリンを増量した場合のみ、 初期治療の継続よりも有益であることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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