海外ジャーナルクラブ
10日前

順天堂大学呼吸器内科学講座の虎澤匡洋氏らの研究グループは、 進行非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) で4年以上の長期恩恵を得た患者 (LTB) の疾患動態と診療実態を多施設後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 ICIを投与された患者の9.4%がLTBに該当し、 4年時点で無増悪であったLTBでは長期にわたり病勢制御が得られ、 遅発進行も少ないことが示された。 研究結果はJournal of Thoracic Oncology誌において発表された。
本研究は2015-20年にICIを含む治療を受けた症例の後ろ向き解析であり、 4年以上の生存を満たした集団のみを抽出したコホートであるため、 遅発進行や死因の分布をICI治療例全体に一般化することには制限があります。
ICI効果予測の現在地 「有効性や抵抗性のバイオマーカーは?」
ICIは、 進行非小細胞肺癌 (NSCLC) の一部の患者で持続的な奏効をもたらしてきた。 一方で、 長期生存例における臨床経過や遅発進行のパターンは、 十分に明らかになっていない。
2015年1月から2020年4月にICIを含む治療を受けた進行NSCLC患者3,144例を対象に、 多施設後ろ向き研究を実施した。 LTBは、 全生存期間 (OS) 4年以上かつ次の細胞傷害性化学療法までの期間 (TTNC) 4年以上をともに満たす患者と定義した。
4年時点のランドマーク解析を行い、 遅発進行*を特徴づけたうえで、 競合リスク解析により死因別の死亡を評価した。
追跡期間中央値68.6ヵ月において、 3,144例のうち537例 (17%) が4年以上生存し、 295例 (9.4%) がLTBに該当した。 データカットオフ時点での追跡不能例は8.1%にとどまった。 ICIが1次治療として開始されていたのは63%であった。
4年時点で無増悪であったLTB 235例では、 66%がICIを中止していた。 肺癌特異的生存率は6年時97.8%、 8年時88.0%であった。
遅発進行は26例 (11.1%) にみられ、 全例が5病変以下であった。 うち84.6%は増大速度10mm/月以下の緩徐な進行であり、 進行後は42%で局所療法が選択された。
ICI開始から4年以降に生じた死亡22例のうち、 肺癌関連死は7例 (32%) にとどまり、 15例 (68%) は2次癌を含む他の原因によるものであった。
競合リスク解析でも、 他因死亡は一貫して肺癌関連死亡を上回った。
著者らは、 「4年時点で無増悪であったLTBでは長期にわたる病勢制御が得られた。 遅発進行は少なく、 その範囲も限局しており、 局所療法が選択されることが多かった。 また、 肺癌以外を原因とする死亡が多数を占めたことから、 包括的なサバイバーシップケアの重要性が示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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