海外ジャーナルクラブ
2年前
Sandhyaらは、 局所進行または転移性の胃癌、 肝胆膵癌、 肺癌の患者を対象に、 化学療法による食欲不振に対するオランザピンの有効性を二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験で検討。 その結果、 低用量のオランザピンを毎日投与することは、 化学療法を受けている癌患者の食欲と体重増加を有意に改善する、 簡単で安価な、 忍容性の高い介入であることが明らかとなった。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
ものすごくはっきりとした結果で (少しはっきりしすぎている感すらあります) オランザピンの有効性が示されています。 南インドの単施設でのRCTであることから (場所というよりは一般化の部分が気になります)、 やはりもう一つ同じような試験結果を確認したい、 というのがアカデミアの見方かと思います。
食欲不振は、 進行性悪性腫瘍患者の30~80%に見られ、 化学療法により悪化することがある。
治療前の局所進行または転移性胃癌、 肝胆膵癌、 肺癌の成人患者 (18歳以上)
患者を以下の群にランダムに割り付け
体重増加が5%を超えた患者の割合と食欲の改善
栄養状態の変化、 QOL、 化学療法毒性
オランザピン群は、 QOL、 栄養状態が良好であり、 化学療法毒性も少なかった。
オランザピンに起因する副作用は最小限であった。
低用量のオランザピンを毎日投与することは、 化学療法を受けている新規診断患者の食欲と体重増加を有意に改善する、 簡単で安価な、 忍容性の高い介入である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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