【J Clin Oncol】EGFR/ALK陽性の既治療NSCLCにDato-DXdが有望
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3ヶ月前

【J Clin Oncol】EGFR/ALK陽性の既治療NSCLCにDato-DXdが有望

【J Clin Oncol】EGFR/ALK陽性の既治療NSCLCにDato-DXdが有望
Sandsらは、 アクショナブルな遺伝子変異がある進行・転移性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 ダトポタマブ デルクステカン (Dato-DXd) の臨床効果と安全性を第II相試験TROPION-Lung05で検討した。 その結果、 Dato-DXdは持続的な抗腫瘍効果を示し、 新たな安全性シグナルは認められないことが明らかになった。 試験結果はJournal of Clinical Oncology誌に発表された。 

📘原著論文

Datopotamab Deruxtecan in Advanced or Metastatic Non–Small Cell Lung Cancer With Actionable Genomic Alterations: Results From the Phase II TROPION-Lung05 Study. J Clin Oncol. 2025 Jan 6:JCO2401349. Online ahead of print. PMID: 39761483

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

この研究成果を基に、 プラチナ製剤ベースの化学療法と比較したDato-DXdの第III相試験が期待されます。

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背景

ドライバー遺伝子変異陽性肺癌治療の後方治療は未確立

Dato-DXdはtrophoblast cell surface antigen 2 (TROP2) を標的とした抗体薬物複合体であり、 高い抗腫瘍活性を有するトポイソメラーゼI阻害剤をペイロードとしている。

一方で進行・転移性NSCLCは、 EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子再配列を有する患者の標準治療後の選択肢が限られているのが現状である。

この試験では、 分子標的治療およびプラチナ製剤ベースの化学療法実施中または実施後に進行した患者を対象に、 Dato-DXdの臨床効果と安全性を評価することを目的とした。

研究デザイン

対象の8割以上がEGFR/ALK陽性例

分子標的治療およびプラチナ製剤ベースの化学療法を受けた後に進行した進行・転移性NSCLC患者137例にDato-DXdを投与した。

対象患者の56.9%がEGFR変異陽性例、 24.8%がALK陽性例であり、 71.5%に3レジメン以上の治療歴があった。

主要評価項目には客観的奏効率 (ORR)、 副次評価項目には奏効期間 (DOR)、 病勢コントロール率 (DCR)、 安全性が設定された。

結果

EGFR変異例のORRは43.6%

治療期間の中央値は4.4ヵ月 (範囲0.7-20.6ヵ月) であった。

全体のORRは35.8% (95%CI 27.8-44.4%)、 EGFR変異陽性例では43.6% (同32.4-55.3%)、 ALK陽性例では23.5% (同10.7-41.2%) だった。

DOR中央値は7.0ヵ月 (95%CI 4.2-9.8ヵ月)、 DCRは78.8% (同71.0-85.3%) であった。

新たな安全性シグナルは認められず

安全性については、 患者の28.5%にGrade 3以上の治療関連有害事象 (TRAE) が発現し、 最多のTRAEは口内炎 (全Grade 56.2%、 Grade 3以上9.5%) であった。

このほか、 5例 (3.6%) に治療関連性間質性肺疾患/肺炎が報告され、 このうち1例が死亡した。

結論

Dato-DXdは複数の治療歴があるアクショナブルな遺伝子変異陽性肺癌に有効

著者らは、 「複数の治療歴がある進行・転移性NSCLC患者に対して、 Dato-DXdは持続的な抗腫瘍活性を示し、 新たな安全性シグナルは認められなかった」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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