HOKUTO編集部
11ヶ月前
1~5回の前治療歴を有する18歳以上の再発/難治性 (R/R) マントル細胞リンパ腫 (MCL) 患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ (BTK) 阻害薬イブルチニブとBCL-2阻害薬ベネトクラクス併用療法の効果が Ibrとプラセボ併用療法を対照に検証した第Ⅲ相多施設二重盲検無作為化比較試験SYMPATICOの結果より、 無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示された。 米・MD Anderson Cancer CenterのMichael Wang氏が発表した。
イブルチニブは1回以上の前治療歴を有する再発・難治性MCL、 ベネトクラクスは慢性リンパ性白血病および前治療歴のない急性骨髄性白血病に対して、 それぞれ複数の国で承認されている。
イブルチニブとベネトクラクスの併用療法は、 MCLを対象とした前試験で有望な臨床活性が認められた。 本試験では、 再発・難治性MCL患者を対象に、 イブルチニブ+ベネトクラクスの有効性および安全性がイブルチニブ+プラセボを対照に評価された。
1~5回の前治療歴 (うち1回以上はリツキシマブ/抗CD20含有レジメン) を有する18歳以上の再発・難治性MCLで、 ECOG PS 0~2の患者
267例を以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。
下記治療後は、 病勢進行または許容できない毒性が認められるまでイブルチニブ単剤投与を継続した。
主要評価項目
PFS
副次評価項目
完全奏効 (CR) 率、 次治療までの期間 (TTNT) 、 全生存期間 (OS) 、 全奏効率 (ORR)
両群で概ね同様
51.2ヵ月 (データカットオフ日 : 2023年7月5日)
HR 0.65 (95%CI 0.47-0.88) 、 p=0.0052
HR 0.60 (95%CI 0.40-0.89) 、 p=0.0096
p=0.0004
p=0.1279
両群で有意差は認められなかったが、 併用群で良好だった。
HR 0.85 (95%CI 0.62-1.19) 、 p=0.3465
1~5回の前治療歴を有する18歳以上の再発・難治性MCL患者において、 ベネトクラクス併用群は、 プラセボ群と比較し、 PFS、 CR率、 TTNTを有意に改善させた。 OSは、 数値的には併用群が良好な結果を示したが、 今回の中間解析では有意な改善は認められなかった。 安全性プロファイルは各薬剤の既知の報告と一致しており、 新たな安全性シグナルは認められなかった。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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