【SYMPATICO】再発・難治性MCL、 ベネトクラクス併用でPFS改善
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HOKUTO編集部

11ヶ月前

【SYMPATICO】再発・難治性MCL、 ベネトクラクス併用でPFS改善

【SYMPATICO】再発・難治性MCL、 ベネトクラクス併用でPFS改善
1~5回の前治療歴を有する18歳以上の再発/難治性 (R/R) マントル細胞リンパ腫 (MCL) 患者に対するブルトン型チロシンキナーゼ (BTK)  阻害薬イブルチニブとBCL-2阻害薬ベネトクラクス併用療法の効果が Ibrとプラセボ併用療法を対照に検証した第Ⅲ相多施設二重盲検無作為化比較試験SYMPATICOの結果より、 無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示された。 米・MD Anderson Cancer CenterのMichael Wang氏が発表した。

背景

イブルチニブは1回以上の前治療歴を有する再発・難治性MCL、 ベネトクラクスは慢性リンパ性白血病および前治療歴のない急性骨髄性白血病に対して、 それぞれ複数の国で承認されている。 

イブルチニブとベネトクラクスの併用療法は、 MCLを対象とした前試験で有望な臨床活性が認められた。 本試験では、 再発・難治性MCL患者を対象に、 イブルチニブ+ベネトクラクスの有効性および安全性がイブルチニブ+プラセボを対照に評価された。

研究デザイン

対象

1~5回の前治療歴 (うち1回以上はリツキシマブ/抗CD20含有レジメン) を有する18歳以上の再発・難治性MCLで、 ECOG PS 0~2の患者

方法

267例を以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。

下記治療後は、 病勢進行または許容できない毒性が認められるまでイブルチニブ単剤投与を継続した。

  • ベネトクラクス併用群 (134例)
イブルチニブ560mg+ベネトクラクス (5週間かけて400mgまで増量) を1日1回、 2年間継続
  • プラセボ群 (133例)
イブルチニブ560mg+プラセボを1日1回、 2年間継続

評価項目

主要評価項目

PFS

副次評価項目

完全奏効 (CR) 率、 次治療までの期間 (TTNT) 、 全生存期間 (OS) 、 全奏効率 (ORR)

研究結果

患者背景

両群で概ね同様

 (以下、ベネトクラクス併用群、 プラセボ群)
  • 年齢中央値 : 69歳、 67歳
  • 前治療歴が1回の患者割合 : 60%、 59%
  • 3回以上の前治療歴を有する患者割合 : 16、 17%
  • simplified MCL International Prognostic Index (MIPI) に基づく高リスク群 : 38%、 31%
  • 腫瘍径5cm以上 : 46%、 40%
  • 骨髄浸潤あり : 46%、 41%
  • 脾腫あり : 31%、 25%
  • TP53遺伝子変異陽性 : 30%、 28%

追跡期間中央値

51.2ヵ月 (データカットオフ日 : 2023年7月5日)

治療状況

(以下、ベネトクラクス併用群、 プラセボ群)
  • 治療期間中央値 : 22.2ヵ月、 17.7ヵ月
  • 解析時点のイブルチニブ単剤投与継続 : 30%、 20%

PFS中央値

  • ベネトクラクス併用群 : 31.9ヵ月
  • プラセボ群 : 22.1ヵ月
HR 0.65 (95%CI 0.47-0.88) 、 p=0.0052

24ヵ月時PFS率

  • ベネトクラクス併用群 : 57%
  • プラセボ群 : 45%

TTNT

  • ベネトクラクス併用群 : NR
  • プラセボ群 : 35.4ヵ月
HR 0.60 (95%CI 0.40-0.89) 、 p=0.0096

CR

  • ベネトクラクス併用群 : 54%
  • プラセボ群 : 32%
p=0.0004

ORR

  • ベネトクラクス併用群 : 82%
  • プラセボ群 : 74%
p=0.1279

中間解析時点でのOS中央値

両群で有意差は認められなかったが、 併用群で良好だった。

  • ベネトクラクス併用群 : 44.9ヵ月
  • プラセボ群 : 38.6ヵ月
HR 0.85 (95%CI 0.62-1.19) 、 p=0.3465

有害事象 (AE)

(以下、ベネトクラクス併用群、 プラセボ群) 
  • Grade3以上のAE発現率 : 84%、 76%
  • 治療中止率 : 31%、 36%
  • 投薬減量実施率 : 36%、 22%
  • 検査値での腫瘍崩壊症候群 (LTLS) の発現率 : 5%、 2%

Wang氏らの結論

1~5回の前治療歴を有する18歳以上の再発・難治性MCL患者において、 ベネトクラクス併用群は、 プラセボ群と比較し、 PFS、 CR率、 TTNTを有意に改善させた。 OSは、 数値的には併用群が良好な結果を示したが、 今回の中間解析では有意な改善は認められなかった。 安全性プロファイルは各薬剤の既知の報告と一致しており、 新たな安全性シグナルは認められなかった。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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