海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前

Taoらは、 急性脳卒中患者に対する血栓溶解療法後60分以内の糖蛋白IIb/IIIa阻害薬tirofiban投与の有効性・安全性を評価する第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験ASSET-ITを実施した。 その結果、 早期tirofiban投与では、 頭蓋内出血発生率はプラセボより高まるものの、 modified Rankin Scale (mRS) での0/1点の達成率は65.9%と有意に高率であり、 優れた機能的転帰の可能性を高めることが示された。 試験結果はNEJM誌に発表された。
本試験の対象について、 脳卒中や一過性脳虚血発作の既往が25-30%とあり、 やや特殊な対象群ともいえます。
血栓溶解療法は発症後4.5時間以内の急性脳卒中に対する標準治療であるが、 血栓溶解後は血管再閉塞の発生リスクがあり、 血栓溶解後24時間以内の抗血小板薬投与で予防できる可能性がある。 一方、 糖蛋白IIb/IIIa阻害薬tirofibanは、 実験モデルにおいて大血管再閉塞を減少させることが示されている。
ASSET-IT試験では、 中国の38施設における発症後4.5時間以内に来院した非心原性の急性脳卒中患者を対象とし、 血栓溶解後60分以内にtirofibanまたはプラセボが投与された。
主要有効性評価項目は90日後のmodified Rankin Scale (mRS) 0/1点の達成率、 安全性評価項目は36時間以内の症候性頭蓋内出血および90日後の死亡だった。
tirofiban群414例、 プラセボ群418例が各群に割り付けられ、 血栓溶解薬にはアルテプラーゼもしくはテネクテプラーゼが使用された。
90日後、 mRS 0/1点の達成率は、 tirofiban群で65.9%、 プラセボ群で54.9%であり、 tirofiban群で有意に高かった (RR1.20、 95%CI 1.07-1.34、 p=0.001)。
症候性頭蓋内出血は、 tirofiban群で1.7%、 プラセボ群では発生しなかった。 90日後の死亡率は、 tirofiban群で4.1%、 プラセボ群で3.8%であった。
著者らは、 「頭蓋内出血発生率は低値ながらtirofiban群でより高かったものの、 早期tirofiban投与は優れた機能的転帰の可能性を高めた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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