海外ジャーナルクラブ
2年前
Kelgeri Cらは,原因不明の急性肝炎を呈する小児患者の臨床的転帰を後ろ向き研究で検討. その結果,ほとんどの小児からヒトアデノウイルスが分離されたことを明らかにした. 本研究はNEJM誌において発表された.
2022年1月以降, 原因不明の小児急性肝炎の症例報告が増加している. 複数の大陸で症例が報告されているが, 多くが英国の症例であり、 現在原因の特定に向けた調査が進められている.
2022年1月1日~4月11日の間、 英国の小児肝移植センター1施設に紹介された原因不明の急性肝炎を呈する小児患者が対象.
英国健康安全保障庁 (UKHSA)による定義 : 10歳以下, 血清トランスアミナーゼ値が500 IU/L以上, A~E型肝炎ではない, 代謝性, 遺伝性, 先天性, または機械的原因を持たない急性肝炎.
カルテレビューにより, 人口統計学的特徴, 臨床的特徴, 各種検査結果, 臨床的転帰 (病状改善,肝移植, 死亡) を調査した..
合計44人の小児がUKHSAの定義に合致する肝炎に罹患しており, ほとんどが生来健康な小児であった.
本研究では, ほとんどの小児でヒトアデノウイルスが分離されたが, この疾患の病因との関連は明確ではない.
👨⚕️ HOKUTO監修医コメント
小児原因不明肝炎患者においてアデノウイルス感染との関連の報告が散見されています。コッホの4原則ではないですが, 小児動物モデルにおいてでも, アデノウイルス感染によって同じ病態を引き起こすことができればその意義は大きいと思います.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。