HOKUTO編集部
12ヶ月前
ホルモン受容体 (HR) 陽性HER2陰性の進行乳癌患者を対象に、 1次治療における非ステロイド性アロマターゼ阻害薬 (NSAI) へのCDK4/6阻害薬アベマシクリブの上乗せ投与の有効性および安全性を検証した第Ⅲ相二重盲検試験MONARCH3の最終解析の結果、 アベマシクリブとNSAIの併用は、 NSAI単剤と比較して全生存期間 (OS) 中央値を13.1ヵ月延長したものの、 統計学的に有意な延長は認められなかったことが示された。 米・Mayo ClinicのMatthew P Goetz氏らが発表した。
MONARCH3においては、 ホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳癌の初回治療としてアベマシクリブ+NSAIの併用療法により、 無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示された。 また、 2回目のOS中間解析では、 OS中央値に良好な差が認められていた。 今回は、 同試験におけるOSの最終解析結果が報告された。
未治療でホルモン受容体陽性HER2陰性の進行乳癌患者で、 以下の適格基準を満たすもの
493例を以下の2群に1 : 1で割り付けた
主要評価項目
担当医の判定によるPFS
副次評価項目
OS、 奏効率、 安全性
探索的評価項目
無化学療法生存期間 (CFS)
8.1年
HR 0.535 (95%CI 0.429-0.668)、 nominal p≦0.0001
HR 0.804 (95%CI 0.637-1.015)、 p=0.0664
HR 0.758 (95%CI 0.558-1.030)、 p=0.0757
HR 0.693 (95%CI 0.557-0.863)、 nominal p=0.0010
アベマシクリブの長期投与による新たな安全性の懸念は認められなかった。
Grade3以上の治療関連有害事象の発現率
アベマシクリブ群 : 69%
プラセボ群 : 29%
最終解析の結果、 アベマシクリブとNSAIの併用療法はNSAI 単剤療法に比べ、 OS中央値をITT集団で13.1ヵ月、 内臓転移のあるサブグループで14.9ヵ月延長したものの、 両群に統計学的な有意差は認められなかった。 また、 アベマシクリブ併用療法はその後の化学療法開始を16.1ヵ月遅らせた。
今回の結果は、 ホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳癌における1次治療としてのアベマシクリブ+NSAI併用療法を引き続き支持するものであり、 既報と一致していた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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