【Lancet】再発・難治性多発性骨髄腫へのteclistamab、 持続的効果を示す (MajesTEC1)
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海外ジャーナルクラブ

3年前

【Lancet】再発・難治性多発性骨髄腫へのteclistamab、 持続的効果を示す (MajesTEC1)

【Lancet】再発・難治性多発性骨髄腫へのteclistamab、 持続的効果を示す (MajesTEC1)

概要

  • 再発・難治性多発性骨髄腫の患者における、 B細胞成熟抗原 (BCMA) ×CD3二重特異性抗体 「teclistamab」 の非盲検•単群第Ⅰ相臨床試験が行われた.
  • 結果、 teclistamabは持続的で深い奏効を示し、 忍容性も良好であることが分かった.

方法

  • 5ヵ国12施設 (米国、 スペイン、 フランス、 オランダ、 スウェーデン) で、 再発•難治性多発性骨髄腫患者のスクリーニングが行われた.
  • teclistamab投与は、 0.3μg/kg 2週ごとの静脈内投与で開始され (0.3~19.2μg/kg)、 その後、 薬物動態のデータに基づき週1回投与に変更され(19.2~720μg/kg)、 重症サイトカイン放出症候群のリスクを軽減するため、 38.4 μg/kg以上となるように用量が漸増された.
  • また、 患者の利便性の増大と安全性の改善のため、 あわせて皮下投与 (80~3,000μg/kg/週) の検討も行われた.
  • 主要評価項目は、 第II相試験の推奨用量を決定・用量制限毒性の評価 (第1部)、 推奨用量での有害事象や有効性の検討とした (第2部).

結果

  • 157例が登録され、 全例に少なくとも1回のteclistamab投与が行われた. 用量漸増試験の結果、 安全性、 有効性、 薬物動態などのデータから、 第II相試験の推奨用量は1500μg/kgの週1回皮下投与とされた.
  • 第Ⅱ相試験の推奨用量の投与を受けた40例で最も頻度の高い有害事象は、 サイトカイン放出症候群 (70%) で、続いて好中球減少症 (65%) であった. 40例の追跡期間約6か月における全奏効率は65%で、奏功期間は未達であった. 効果が得られた26例中22例 (85%) が追跡期間7か月時点で生存しており、治療を継続している.

👨‍⚕️ 編集部コメント

多発性骨髄腫に対するBCMAを標的とした治療として、 CAR-T細胞療法 (idecabtagene vicleucel)が既にFDAで承認されています. 本試験は"BCMAを発現する骨髄腫細胞"と"CD3を発現するT細胞"を架橋するバイスペシフィック抗体の第Ⅰ相試験であり、 週1回の皮下投与で高い治療効果が示されました. CAR-T細胞療法の手間やコストを考慮するとteclistamabは非常に有望な治療薬であり、 必ず押さえておくべき臨床試験のひとつと言えるでしょう. 

🗒 原著論文

Teclistamab, a B-cell maturation antigen × CD3 bispecific antibody, in patients with relapsed or refractory multiple myeloma (MajesTEC-1): a multicentre, open-label, single-arm, phase 1 study. Lancet. 2021 Aug 21;398(10301):665-674.

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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