海外ジャーナルクラブ
2年前
Schlaichらは、 治療抵抗性高血圧患者を対象に、 デュアルエンドセリン拮抗薬 「アプロシテンタン」 の降圧効果を検討する多施設共同第Ⅲ相試験を実施 (PRECISION試験)。 その結果、 アプロシテンタンはプラセボに比べ4週時点の血圧低下作用に優れ、 40週後にもその作用が持続した。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
昨今Precision Medicine*という言葉がよく使われるようなってきましたが、 本試験名のPRECISIONというのは非常にimpactが強くて、 正確性の高い響きがあります。 RCTの試験名がその試験そのものを左右するとまで言われますが、 素晴らしい響きを持った試験名です。
治療抵抗性高血圧は心血管系リスクの増加と関連している。 エンドセリン経路は高血圧の病態に関与しているが、 これまでは治療上の標的になっていなかった。
利尿剤を含む3種類の降圧剤からなる標準的療法を受けているにもかかわらず、 座位収縮期血圧が140mmHg以上の患者。
パート1:4週間の二重盲検無作為化プラセボ対照試験
パート2:32週間の単盲検試験
パート3:12週間の二重盲検無作為化プラセボ対照試験
試験開始から4週目までと、 休薬から40週目までの無人診察室での収縮期血圧の変化
24時間自由行動下血圧の変化
4週間後の診察室収縮期血圧の最小二乗平均変化
対プラセボ差で有意差あり
24時間自由行動下血圧の変化
4週間の休薬後、 診察室収縮期血圧はプラセボとアプロシテンタンの両群で有意に上昇した (P<0.0001)
最も頻度の高い有害事象は軽度から中等度の水腫または体液貯留であった。
この事象により、 7名の患者においてアプロシテンタン投与が中止された。
試験期間中、 合計11名の治療起因性の死亡が発生したが、 治験責任医師は、 いずれも本試験の治療とは無関係であると判断した。
治療抵抗性高血圧患者において、 アプロシテンタンは忍容性が高く、 プラセボに比べ4週目の血圧低下作用に優れ、 40週目にもその作用が持続した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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