【Leukemia】多発性骨髄腫におけるBCMA標的免疫療法の最適な治療順序は?
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HOKUTO編集部

29日前

【Leukemia】多発性骨髄腫におけるBCMA標的免疫療法の最適な治療順序は?

【Leukemia】多発性骨髄腫におけるBCMA標的免疫療法の最適な治療順序は?

International myeloma working group immunotherapy committee recommendation on sequencing immunotherapy for treatment of multiple myeloma

Leukemia. 2025年1月27日オンライン版

多発性骨髄腫 (MM) における治療選択肢は近年大きく変化しており、 B細胞成熟抗原 (BCMA) を標的とした治療法が次々と承認されている。 日本でもCAR-T細胞療法のイデカブタゲン ビクルユーセル (Ide-cel)、 シルタカブタゲン オートルユーセル (Cilta-cel) と、 二重特異性T細胞エンゲージャー (TCE) のエルラナタマブが使用可能である。 しかし、 これらを逐次使用した場合の有効性がどの程度維持されるのかは臨床上の重要な課題である。 本記事では、 BCMA標的免疫療法後にT細胞を活性化する治療を使用した際の治療成績をまとめた国際骨髄腫ワーキンググループ (IMWG) の報告をもとに、 最適な治療順序の考え方について考察する。 

BCMA標的CAR-T後のT細胞誘導療法の有効性

BCMAを標的としたCAR-T療法 (日本ではIde-celとCilta-cel) 施行後に、 再びT細胞を活性化する治療 (TCEや他のCAR-T療法) を使用した場合の治療成績を以下に示す。

【Leukemia】多発性骨髄腫におけるBCMA標的免疫療法の最適な治療順序は?
参考文献1) を基に編集部作成。赤字は日本で使用可能な薬剤。

BCMA標的TCE後のT細胞誘導療法の有効性

次に、 BCMA標的TCE (日本ではエルラナタマブ) 後のT細胞誘導療法を使用した場合の治療成績を以下に示す。

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参考文献1) を基に編集部作成。赤字は日本で使用可能な薬剤。

まとめ

  • BCMA標的CAR-T後のBCMA標的TCEの奏効率は約50%だが、 PFSは1.8-10ヵ月と幅がある。
  • BCMA標的TCE後のBCMA標的CAR-Tの奏効率は57-86%と高めだが、 PFSは2.8-5.3ヵ月と短い。
  • BCMA標的免疫療法の逐次使用では、 長期的なPFSを確保するために、 可能であればCAR-Tを先行し、 その後にTCEを使用するのが望ましい。
  • 日本ではGPRC5D標的免疫療法が未承認のためBCMA標的免疫療法の繰り返しが避けられず、 逐次治療の限界がある。 GPRC5D標的治療はBCMA標的免疫療法後の有効な選択肢として期待される

出典

1. Leukemia. 2025年1月27日オンライン版

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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