【NEJM】重症ツツガムシ病、 ドキシサイクリン+アジスロマイシンの併用が有効
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【NEJM】重症ツツガムシ病、 ドキシサイクリン+アジスロマイシンの併用が有効

【NEJM】重症ツツガムシ病、 ドキシサイクリン+アジスロマイシンの併用が有効
Vargheseらは、 重症のツツガムシ病患者を対象に、 ドキシサイクリン、 アジスロマイシン、 両剤併用の有効性を多施設共同二重盲検無作為化比較試験で検討。 その結果、 ドキシサイクリンとアジスロマイシンの併用療法は、 いずれかの薬剤を単独で投与するよりも治療効果に優れていた。 本研究は、 NEJM誌において発表された。

📘原著論文

Intravenous Doxycycline, Azithromycin, or Both for Severe Scrub Typhus.N Engl J Med. 2023 Mar 2;388(9):792-803.PMID: 36856615

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

地球温暖化に際して人獣共通感染症にはWHOが特に注意を払っており、 本研究成果は大きな意義があります。 ただし、 ツツガムシ病は予防が原則であり、 また迅速な診断が実臨床では極めて重要です。

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ドキシサイクリン

DOXY (ビブラマイシン®)

アジスロマイシン

AZM (ジスロマック、アジスロマイシン®)

背景

人獣共通感染症として軽視されているが、 広く再興している重症のツツガムシ病に対する適切な抗菌薬治療は不明である。

研究方法

対象

15歳以上で、 少なくとも1つの臓器に病変がある重症のツツガムシ病患者

介入

患者を以下の群に割り付け。

  • ドキシサイクリン群
  • アジスロマイシン群
  • 併用療法群

主要評価項目

28日時点における全死因死亡、 7日時点における合併症の持続、 5日時点における発熱の持続の複合。

研究結果

主要評価項目の発生率

  • ドキシサイクリン:47%
  • アジスロマイシン:48%
  • 併用療法:33%
ドキシサイクリンとのリスク差:-13.3%ポイント、 95%CI -21.6--5.1、 P=0.002
アジスロマイシンとのリスク差:-14.8%ポイント、 95%CI、 -23.1--6.5、 P<0.001

アジスロマイシン群とドキシサイクリン群の差

アジスロマイシン群とドキシサイクリン群の間に有意差は認められなかった。

リスク差 1.5%ポイント、 95%CI、 -7.0~10.0、 P=0.73

per-protocol解析

per-protocol解析の結果は、 一次解析の結果と同様であった。

安全性評価

有害事象および28日死亡率は、 3群で同様であった。

結論

重症のツツガムシ病に対する治療法として、 ドキシサイクリンとアジスロマイシンの併用療法は、 単独で投与するよりも優れていた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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