海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前

Ryserらは、 先行手術を施行しなかった非浸潤性乳管癌 (DCIS) 患者を対象に、 同側浸潤性乳癌発症リスクを観察コホート研究で評価した。 その結果、 同側浸潤性乳癌の8年累積発生率は疾患および患者リスクにより8~14%と幅があり、 効果的なリスク層別化ツールと共同意思決定 (Shared Decision Making;SDM) が不可欠であることが明らかとなった。 本研究はBMJ誌において発表された。
Discussionに 「Meaning of study」 という小見出しが用意され、 低リスクDCISでは治療のデ・エスカレーションが検討可能であり、 患者教育とSDMが重要と記載されています。
低リスクDCIS、 手術と積極的モニタリングでQOLも差なし
低リスク非浸潤乳管癌への積極的モニタリング、 手術±RTに非劣性
先行手術を施行しなかったDCIS患者の同側浸潤性乳癌発症リスクを評価するため、 観察コホート研究を実施した。
米国の認定がん病院1,330施設における患者の医療記録および全米癌登録のデータを用いて、 針生検で原発性DCISと診断され、 診断後6ヵ月時点で先行手術が施行されておらず、 浸潤性乳癌が認められなかった女性1,780例を対象に、 観察コホート研究を実施した。
主要評価項目は同側浸潤性乳癌の発症、 副次評価項目は乳癌による死亡であった。
リスク別のサブグループ解析は、 進行中の積極的監視試験の適格基準に基づいて、 診断時年齢が40歳以上で画像診断で検出され、 核グレードⅠ/Ⅱ、 HR陽性であれば低リスク、 それ以外は高リスクと分類した。
診断時の年齢中央値は63歳、 追跡期間中央値は53.3ヵ月であった。 対象1,780例において、 同側浸潤性乳癌の発生は115例 (6.5%)、 乳癌による死亡は29例 (1.6%) で認められた。
同側浸潤性乳癌の8年累積発生率は10.7% (95%CI 8.4-12.8%) であった。
浸潤性乳癌の発生率は疾患および患者要因によって異なり、 同側浸潤性乳癌の8年累積発生率は低リスク群 (650例) では8.5% (95%CI 4.7-12.1%)、 高リスク群 (833例) では13.9% (95%CI 10.5-17.2%) であった。
8年疾患特異的生存率は全体で96.4% (95%CI 95.0-97.9%)、 低リスク群では98.1% (95%CI 96.7-99.6%) であった。
著者らは 「DCISと診断され先行手術を施行しなかった患者において、 同側浸潤性乳癌の8年累積発生率は8~14%であった。 こうした患者集団には効果的なリスク層別化ツールとSDMが不可欠である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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