海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Bejaranoらは、 スペインのレジストリ (RELCP) を基に、 進行期原発性皮膚T細胞リンパ腫 (CTCL) 患者における実臨床下での造血幹細胞移植 (HSCT) 後の転帰について、 HSCT非施行患者と比較した。 その結果、 HSCT後の5年全生存率は58.9%であった。 HSCT群と非HSCT群では全生存率に差はなかったものの、 これには患者がHSCT前にすでに平均6.3ラインの治療を受けており、 病勢進行していることが影響した可能性が指摘された。 試験結果はJ Eur Acad Dermatol Venereol誌に発表された。
本疾患は生物学的に異質性が高く、 移植前治療、 移植時期、 前処置レジメン、 ドナー選択、 支持療法などに施設間差が存在する可能性があり、 結果の解釈や一般化可能性に影響を及ぼしている可能性があります。
進行期皮膚T細胞リンパ腫 (CTCL) は希少かつ治療抵抗性で予後不良であるが、 造血幹細胞移植 (HSCT)、 特に同種造血幹細胞移植 (allo-HSCT) はCTCLへの根治的治療法となり得ると考えられている。 しかし、 患者の約半数は再発する上、 allo-HSCTには重篤な有害事象が伴う。
また、 CTCLにおけるHSCTの有用性に関する既存のエビデンスは、 症例報告や少数例に基づくものが主である。
そこで本研究では、 進行期原発性CTCL患者が実臨床下でHSCTを受けた後の転帰を評価し、 HSCT非施行患者と比較した。
本研究は、 スペイン皮膚科・性病学会の原発性皮膚リンパ腫レジストリ (RELCP) を基に実施した後ろ向き観察研究である。 HSCTを受けた全患者のデータを収集し、 診断名、 最高病期、 診断時年齢を調整因子として傾向スコアマッチングを行い、 HSCT施行群と非施行群に分類した。 生存解析はCox回帰により実施した。
RELCP登録者2,848例中51例がHSCTを受け、 36例 (70.6%) が完全寛解、 7例 (13.7%) が部分寛解を達成した。
56.9%は再発し、 39.2% (うち19.6%は疾患進行、 15.7%はHSCT関連合併症[主に移植片対宿主病および敗血症]による) が死亡した。
HSCT後5年全生存率は58.9%であった。 HSCT群と非HSCT群で全生存率に差はなかった。
著者らは、 「本研究では、 HSCT施行患者と非施行患者で生存率に差は認められなかったが、 これには患者がHSCT前に平均6.3ラインの治療を受けていたことが影響している可能性がある。 HSCTの恩恵を受け得る患者サブグループを明らかにするためには、 大規模な研究が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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